2010/09/12

ドーラの素敵な唄

♪ドーラはとっても唄が好き
父さん止めても唄歌う
か・え・う・た・の
じ・か・く・な・し
名・人・芸♪

NHK教育の「クッキンアイドル アイ!マイ!まいん!」の主題歌
キッチンはマイステージ」らしいが,
我が家にはTVが存在しないので,
ドーラは一度も観たことがない.

幼稚園のお友だちが歌っているのを聞いて耳コピーしたらしい.

が,遺伝子のコピーと同じで,一定の確率でコピーエラーが生じる.
それが生物も唄も多様性を保つ基となる.

「キッチンはマイステージ」
歌:福原遥
市場(いちば)マイステージ」
唄:ドーラ

わたしアイ!マイ!まいん! はりきってマイペース
たまの失敗は スパイスかもね
ひらめくアイデア トッピングしちゃおう
キッチンは マイステージ

リズムに合わせて刻んだり
ときめくハートで煮込んだり
わたしのレシピ おいしい夢のハーモニー

わたしアイ!マイ!まいん! はりきってマイペース
たまの失敗は スパイスかもね
きらめくパワー トッピングしたら
レッツクッキン アイドル アイ!マイ!まいん!

わたし曖昧マン! 法被(はっぴ)ってマイケース
ママの心配は スパイスカゴメ
らめくぱー トッピング死んじゃおう
市場マイステージ

リズムに合わせて刻んだり
ときめくハートで煮込んだり
わたしのレシミ おいしい夢のハーモニー

わたし曖昧マン! 法被(はっぴ)ってマイケース
ママの心配は スパイスカゴメ
らめくぱー トッピング死んじゃおう
霊付きアイドル 曖昧マイン

多様性を尊重する親でありたい.

2010/06/14

小咄

我が家には6歳の娘・ドーラと1歳半の息子・ムスカがいる.


ドーラ 「ねえねえ,ムスカって大きくなったら食べられるかなあ?」
竹?竹はいくつになっても食べられないぞ?
ドーラ 「ちがうの,!大きくなったら食べられるでしょう!」
竹でしょ?タケノコが大きくなって竹になっちゃったら固いから全然食べられないよ?σ(゜Д゜;)???
ドーラ 「そうじゃないの!うな丼の竹!!




東海道新幹線で東京へ.
待合いの電光掲示を見て,
ドーラ 「の…ぞ…み……,ひ…か…り……,って書いてあるの?」
そうだよ.新幹線には「のぞみ」と「ひかり」と「こだま」があるんだよ.
ドーラ 「のぞみちゃんとひかりちゃんとこだまくん?」
発車直後の車内アナウンス.
中年女性風の日本語アナウンスに続いて若い女性の声で,
Ladies and gentlemen, welcome to the Shinkansen.
This is the Nozomi Superexpress bound for ....
ドーラ 「あ!!これのぞみちゃんの声!?




自宅近くを散策中,ミドリシジミ蝶を発見.
茶色の羽でこんなの↓
http://gauss0jp.hp.infoseek.co.jp/midorisi.htm
ドーラ 「わあ!羽がカサブタみたいな色!」




6月13日小惑星探査機「はやぶさ」の奇跡的な地球帰還をドーラに解説.
6月14日の朝刊1面に大々的に報道あり.
ドーラ 「わあ.どうしてこんなに「はやぶさ」君のことが書いてあるの??」
「はやぶさ」君は頑張って頑張って遠くまで旅して帰ってきてくれたから,日本中ですごく人気があるんだよ.
ドーラ 「そうなんだ….ドーラは最近人気が無くなってきた….」

2010/05/29

モバイル・ブロードバンド mobile broadband モバイル・インターネット mobile internet:追記

先にモバイル・ブロードバンドの選択で,地方移動の多くなった自分としてはE MOBILEが良さそう,ということを書いた.

その後E MOBILEのプランからあれこれ検討して,最新(2010年5月時点)の「下り21Mbps,上り5.8Mbps」対応機種それ用の料金プランを選択した.月に1GBぐらいはパケットを使うだろうという見積もりで.

早速使っているが,新幹線の300km/h移動時でも回線遮断はなく,ローカル線でも人家の集落さえ車窓に見えれば何とかつながっている.
トンネルや,人家がないような区間は「圏外」になってしまうが.
東海道新幹線はトンネル内でもFOMAの電波は届くが(というかトンネル内にもアンテナを立ててあるんだろうが),さすがにE MOBILEは届かない.その点は惜しい.

ただし仮に「圏外」になっても回線は遮断されず,再度電波を拾えばそのまま通信が再開するので,操作性としては許容範囲である.

速度はさすがに大したことが無く,列車移動中は「下り1Mbps,上り200Kbps」程度(speed rbb大手町測定).都市部の街中(=21Mbpsサービスエリア)の静止状態で「下り3Mbps,上り1Mbps」程度.
これじゃあ安い方の「下り7.2Mbps,上り1.2Mbps」用の機種とプランでも変わらなかったか?(;_;)
ベストエフォートとはいえ,もう少しマシな数字が出るかと期待していた.


それはさておき.


ふと気付くと,光回線での契約プロバイダ・OCNから,「OCNホットスポットの値下げ;定額315円/月で接続し放題」というダイレクトメールが届いていた.
OCNホットスポットは,OCNの運営会社であるNTT Communicationsが行っている無線LAN(WiFi)サービス「ホットスポット」のOCN会員向け廉価版サービス

本家のホットスポットは料金プランによってはYahoo!BBと相乗りして全国のマクドナルド店内でも無線LANがつながるが,OCNホットスポットは廉価版サービスだけあって本家が設置したアクセスポイントでしかつながらない(※リンク先のサービスエリアマップで「カジュアルエリア」と表示されるものはすなわちBBとの連携なので接続不可).
つまり,大規模鉄道駅,ごく一部のシティホテル,ごく一部のモスバーガー/タリーズ/クリエ,および東海道新幹線のN700系車内ぐらいでしかつながらない.東京はもちっとつながるようだが.

でもまあ,315円/月でN700系車内でつながるなら損はないかな,ということで早速契約した.
トンネル内でもつながるようだし.
もっとも,N700系車内の速度はベストエフォートで「下り2Mbps」である.タイミングによってはE MOBILEより遅いかも.
契約時に気付いたが,OCN会員というだけで自動的に「OCNホットスポットの従量制プラン(0~3,220円/月)」が契約された状態になっていた.知らなかった.

さらに契約時に気付いたが….
OCN会員限定で,E MOBILEとの連携サービスが提供されていた
「下り7.2Mbps」のサービスではあるが,E MOBILE単体と契約するよりも若干安価な内容になっている.
こっちでも良かったかな…(;_;).
先に知らせろよ,OCN!(いや多分ダイレクトメール読まずに捨てていた)

2010/05/26

Spring Bank ★★★

ラベル: SpringBank 10年
マイ評価: ★★★

  • 蒸留所: スプリングバンク
  • 地区: キャンベルタウン
  • 原料: シングルモルト
  • 熟成: 10年
  • アルコール度数: 46%
また行きつけのバーにお邪魔した.



5月30日はこのバーの創業者にしてマスターバーテンダーの一周忌である.
当日に訪れるのは古くからの常連さんに申し訳ないと思い,数日前倒してお邪魔した.
雷雨の夜で殆ど客もなく,静かにマスターを偲んできた.

マスターのオリジナルカクテルに「枯れ葉」というカクテルがある.
レシピは…書かないのが礼儀であろう.
人生の襞を積み重ねたマスターの人柄が滲み出たような最高のカクテルである.
現在のチーフバーテンダーに丁寧にシェイクしてもらった.

享年68歳のマスターであった.短いお付き合いながらも,社会人として,男としての静かな矜持を繰り返し語って下さった.語りを通じて,小生意気なこの若造を可愛がって下さったように勝手に思っている.

マスターに「枯れ葉」を献杯.


さて今夜のスコッチは,まだ呑んだことのない地区のものを呑んでみたくなった.
ハイランド,スペイサイド,アイラ,アイランズは1-3銘柄ずつは呑んだつもり.
残るはキャンベルタウンとローランド.

特に根拠もなくキャンベルタウンを所望する.

今夜キャンベルタウンで在庫があったのはたまたまSpringBankだけとのこと.

ストレートでワンフィンガー.


いやー,これが期待を遥かに超えて美味い!!

きつすぎず弱すぎないピート臭をベースに,深い深いまろやかさと優しさ.
しかし優しいだけではない,重厚濃厚な組み立てと,全体の絶妙なバランスの良さ.
46%とやや強めのアルコールだが,きつさを微塵も感じさせない.

自分が呑んだきた日本酒に喩えるなら,初緑・特別純米・ひやおろし」のような絶妙な美味さ

ボトルキープしたくなる.

聞けば,伝統的な製法を頑なに守っている蒸留所とのこと.
未だにフロア・モルティングを丁寧に行っていると.
生酛造りの高い技術を伝承し続けている蔵元のような感じか.

この一杯もマスターに献杯.



閑話.

このバーには名物シェフがいる.
バーなのに(と言っては失礼だが)料理が滅茶苦茶美味い
コース料理(完全予約)を頼むと目を丸くするような美味くて斬新な皿が次々に出て来る.
単品料理もまた格別で,特に焼きそばが絶品中の絶品.ここ以上に美味い焼きそばをついぞ食べたことがない.

そのシェフと四方山話をしていると,なんと筋金入りのであることが判明.
乗るたびに報告に上がらなければ.

2010/05/17

モバイル・ブロードバンド mobile broadband モバイル・インターネット mobile internet

最近出かける機会が増えたので,出先でのネット接続環境に敏感になってきた.

都市部のホテルに泊まる分にはほぼ間違いなく有線LANが敷かれていてインターネットにぶら下がっているので問題ない.

問題は,移動時の列車上,ホテル以外の外出先(病院とか講演会場とか),あるいは地方やへき地などでホテルにもWAN環境がない場合である.

そうした場合,現状では,

■Windows Mobile 6.1 on HTC Touch Diamond (NTT DoCoMo HT-01A)で直接ちまちまとネット閲覧

だけで辛抱している.

しかしWindows Mobileではブラウザに制限があり,高度なFlashやJavaのサイトはまともに閲覧できない.
いくつかのブラウザを乗り換えて,一番使い勝手が良くレンダリングも速いのはNetFront Browser【期間限定のコンセプト版だが期間は常に更新され続けるので実質無償】だが,PCブラウザで言えば昔のNetscape 3.0ぐらいの機能しかない(懐かしいなあ).

それにHTC Touch Diamondは遅い!遅すぎる!

鳴り物入りで登場したXperiaは店頭で実機を触ったがネット接続もその他のアプリケーションもかなりサクサク動くのでHTCとの違いは明瞭.
とはいえ高い金を払ってすぐに乗り換えるほどの決定的な魅力でもない.
何しろXperiaはビジネスユースよりもマルチメディア(死語か?)に特化した機体.自分はケータイでの動画再生や音楽プレーヤなんぞに毛ほども興味はない.


というわけでモバイル・ブロードバンド,モバイル・インターネット接続を真剣に検討することにした.

さて自分が知らない間に色んなモバイル・ブロードバンド業者が乱立していたようである.
パッと眺めるだけでは何が何やら分からない状態である.

いろいろ勉強してみると,どうやら通信規格が何か,でまとめるのがキモらしいと気付いた.

技術的には,携帯電話やモバイル・ブロードバンドに使用される通信方法(有線でない,移動可能な通信接続)のことを総称して「移動体通信」と呼ぶらしい.
移動体通信に分類される通信規格はかなり多様で,素人が把握できるレベルではない.

多様な企画のうち,いわゆるモバイル・ブロードバンドに使用されているのが,2010年5月時点では下記のようである.
ただしいずれも「日本国内で既に商用提供されているもの」 に限っている.

一般名称 規格名称 概要
無線LAN
(公衆無線LAN)
IEEE 802.11a/b/g/n 一般家庭やオフィスでも汎用されている普通の無線LANと同じ規格.
モバイルWiMAX IEEE 802.16e-2005 元々はへき地などの有線を届かせにくい土地(コストの問題で)向けのネット接続用無線規格の「WiMAX(IEEE 802.16-2004)」というのがあり,それを高速移動にも耐えられる無線規格としてバージョンアップさせた(?)のがこれ.
3G(第3世代移動通信システム) HSPA(HSDPA/HSUPA)
HSPA+
3Gは今どきのケータイに広く使われている通信規格の総称.
このうち,音声通話でなくデータ通信(ネット接続)用の規格が,HSPA.
HSPAの細分類で,HSDPAは下り用規格,HSUPAは上り用規格.
HSPA+は通信速度を増したバージョンアップ版.
次世代PHS XGP(eXtended Global Platform) PHSの技術をバージョンアップさせて高速通信に適応させた規格.日本での商用サービスはまだ始まったばかり.
※Wikipedia上では「次世代PHS」は「eXtended Global Platform」にリダイレクトされる.分類名と規格名の異同についてはややこしい事情があるらしいがここでは重要ではないのでWikipedia参照.

さてこれらが2010年5月時点の日本で具体的にどのような商用サービスに乗っているのか.
自分の環境にフィットするよう,
  • 通信のみ=プロバイダへの接続のみを提供
    • すなわち,自らはプロバイダサービスではない
  • 端末はノートPC(ネットブック含む)を想定
でまとめてみた.


一般名称 規格名称 業者 サービス名 通信速度
(ベストエフォート)
エリアカバー率
(2010年5月時点)
高速移動時の接続
(ハンドオーバー)
料金/1ヶ月
(下限~上限)
公衆無線LAN IEEE 802.11a/b/g/n 非常に多数 非常に多数数~数10Mbps主要鉄道駅,東海道新幹線などの列車車内,マクドナルド等.
列車沿線を除いて,半径100-200m程度のスポットに過ぎない.
都市部にほぼ限定される.
東海道新幹線は列車にアンテナ搭載.
その他はスポットなので高速移動を想定していない.
無償を含めて業者ごとに多様
モバイルWiMAX IEEE 802.16e-2005 UQコミュニケーションズ UQ WiMAX下り40Mbps
上り10Mbps
大都市圏+全県庁所在地までは拡大中.
地方はまだまだ.
東海道新幹線および成田エクスプレス車内も.
120km/hは技術的に担保.
実証試験では200km/hも大丈夫だったらしい.
380→4,980円
3G HSPA 3大ケータイキャリアFOMAハイスピード(DoCoMo)

※その他各キャリアを参照
FOMAハイスピード:
下り7.2Mbps
上り5.7Mbps

※その他各キャリアを参照
少なくともDoCoMoはFOMAハイスピードエリアの人口カバー率が100%らしい.
実際,山間地でも住宅が数軒あれば通じる印象.
公式見解は知らないが,DoCoMoユーザの実感としては300km/hの新幹線でもほぼ途切れない.DoCoMoパケホーダイダブル
スマートフォン端末のみで390→5,985円
PC接続(「インターネット共有」)で390→13,650円
E MOBILEEMモバイル・ブロードバンド
(一部HSPA+)
下り7.2~21Mbps
上り5.8Mbps
下り7.2Mbpsは地方都市や郊外の町村レベルもカバー.山間地や離島は×.
下り21Mbps(HSPA+)は印象として人口10万人超の都市圏のみ.
全体の人口カバー率は公称90%.
公式見解は60km/h以下を推奨
ネット上には,東海道新幹線でトンネルを除いてほぼ接続良好であったという報告あり.
プランが複数あるのでこちら参照.
WILLCOMWILLCOM CORE 3G下り7.2Mbps
上り384Kbps
地方都市や郊外の町村レベルもカバー.山間地や離島は×
全体の人口カバー率は公称99%.
公式見解は不明だが,このサービス自体がNTTのFOMAハイスピード網を利用したMVNOなので,FOMAと同じ体感になるはず?0→5,985円
次世代PHS XGP WILLCOM WILLCOM CORE XGP下り20Mbps
上り20Mbps
まだ2009年10月に開始したばかりの新サービスで,現時点のエリアは東京・山手線の3分の2程度こんな狭いエリアでは高速移動の是非もへったくれもない.4,380円+945円


やや煩雑な表になったが,上記の通り.

サービス選択のカギになるのは,当たり前だが,
  • エリアカバー率
  • 速度
  • 料金
の3点.
地方への移動が増えた自分としては,特にエリアカバー率が重要.しかもスポットでなく列車移動中でも接続できることが必要.

すると真っ先に公衆無線LANと次世代PHS(XGP)が消える

残るはモバイルWiMAXと3G.

ここで3Gなら既にDoCoMoのFOMAハイスピードをHTC Touch Diamond経由で利用しているので新規契約は不要そうだが,料金が高すぎる
すなわち,HTC端末だけでアクセスするならパケホーダイ・ダブルで上限5,985円だが,PC接続となると途端に上限額が13,650円に跳ね上がる
しかも,「Gmailをチェックして,ニュースサイトを4-5箇所見て,Googleでちょっとした調べ物をして,合計ページビューが50に満たない」ぐらいの接続1回で簡単に13,650円に達する

端末アクセスのみの5,985円との差額が実に7,665円であり,他社と契約して上限一杯に使った方がまだ安い
よって,現行のDoCoMoとの契約のみはあり得ない.


 さてモバイルWiMAXは3Gと似たような料金だがスピードがHSPAの5倍超,HSPA+に比べても2倍の速さである(あくまでベストエフォートだが).
これは魅力的なのだが,現時点のエリアカバーがまだ大都市圏と都道府県庁所在地に限定されているのが惜しい.
地方都市や近郊町村はカバー時期未定のようだし,当然,都市間移動の列車内での接続も(東海道新幹線を除いて)無理である.

結局,自分にとって選択肢は3Gしか残らないことになる.

すると,同じ3GでもE MOBILEあればHSPA+採用だしカバー率も悪くないしこれしかないのかなあ.


と,最後の最後でこのような記事もある.

モバイル・ブロードバンドは全員敗者になるマーケットである




※※2010/5/29追記(別記事)あり




 

2010/05/09

書物の覚え違いタイトル

図書館利用者が本のタイトルを勘違いして覚えていた,というリストを福井県立図書館が作成して公開しているが,ページビューがうなぎ登りだという.

見てみたら,これがべらぼうに面白い

福井県立図書館・覚え違いタイトル集


「あかちゃんのくるひ」が「おかあちゃんのくるひ」だったり,
「ネズミさん大ピンチ」が「ねこのとうさん大ピンチ」だったり,
「半島へ,ふたたび」が「蓮池さんの 半島へもう一回行ってみたい みたいな本」だったり,

これはもう,漢字誤変換コンテストをしのぐ絶品.

天領・どぶろく ★★★

ラベル: 天領・どぶろく
マイ評価: ★★★

  • 蔵元: 天領酒造(岐阜県下呂市萩原町;飛騨萩原)
  • 屋号: 天領
  • 製造: 21BY
  • 酒米: ひだほまれ(たぶん)
  • 精米歩合: 不明
  • 酵母: 不明
  • アルコール添加: なし?
  • 日本酒度: 不明
  • アルコール度数: 9度以上10度未満
  • 美味しかった呑み方: 冷や
  • 火入れ: なし?
ヨメ子供を車中に待たせて中島屋で酒を買って出てくると,玄関ドアに貼ってあった「天領・どぶろく」の広告を見ていたヨメが「どぶろく呑みたい」.

早速店にとって返してどぶろくを所望.
300mL入りの小ぶりな瓶だった.

そういえばどぶろくと濁り酒はどう違う?
中島屋の女将さんに尋ねてみると,

■どぶろく=醪(もろみ)そのまま
■濁り酒=醪を荒く濾過して米粒程度は取り除いたもの

だそうで.

後で調べたら同じことが天領のサイトにも書かれてあった.

なるほど,そういえばかつて一度だけ,門外不出のはずの白川郷のどぶろくを某家で呑ませてもらったことがあるが,酸味たっぷりの米粒つぶつぶで,店で買う濁り酒とは違うものだった.

後に白川郷を訪れてどぶろく祭が奉納される神社で尋ねてみると,モロ蔵付き酵母・モロ生酛の最も古典的な酒造りを神社でしているそうで(※財務省の許可をちゃんと得ている),出来上がった醪をそのまま嗜むのもまた最も古典的な日本酒の形態である.

そんなどぶろくを天領酒造が商品化したとのことだが,どぶろく造りは清酒造りとは違う免許が必要だと天領のサイトで知ってビックリである.
18へぇ

さてそのどぶろく.

米粒がつぶつぶとそのまま口の中で踊る.
確かに濁り酒とは違う.
非常に爽やかな酸味がひろがる.
アルコールが9度-10度とかなり低めだが,これってひょっとして米粒込みの重量パーセントだから相対的に低いんだろうか?それとも酵母の発酵がまだ途中なんだろうか?

美味い美味い,実に美味い.
この酸味が良い.
大人の甘酒,といった風情である.

良い買い物をした.ヨメの言うことは聞くものである.

越州・桜日和 ★★☆

ラベル: 越州・桜日和
マイ評価: ★★☆

  • 蔵元: 朝日酒造(新潟県長岡市)
  • 屋号: 
  • 製造: 21BY
  • 酒米: 千秋楽
  • 精米歩合: 55%
  • 酵母: 不明
  • アルコール添加: あり
  • 日本酒度: 不明
  • アルコール度数: 13度
  • 美味しかった呑み方: 冷や
  • 火入れ: あり
全国的には「久保田」で知られる朝日酒造だが,古くから地元では「朝日山」のラベルで知られている.
そしてもう一つ,「越州」というラベルもあって,自分は最近この越州がお気に入りである.

越州はもっぱら千秋楽という酒米で造られている.
千秋楽は元は新潟産の食用米だったらしい.
それがコシヒカリに取って代わられて以降,酒米として復活したとのこと.
朝日酒造のサイトに詳しい.

越州には5つのランクがある.

ランク ラベル 製法
1 壱乃越州 本醸造
2 弐乃越州 特別本醸造
3 参乃越州 特別純米
4 悟乃越州 純米吟醸
5 禄乃越州 純米大吟醸
(※ラベル名では4は験を担いで欠番)

控え目な旨味ながらも淡麗とは一線を画した柔らかさ・優しさがあり,とりわけ参乃越州から上のランクでその魅力がはっきりする.

越州は朝日酒造の本サイトから独立したサイトを開設している.


そんな越州シリーズだが,2年前から春限定ラベルの「越州・桜日和」が出荷されるようになった.

呑んでみると越州ならではの優しさだが,妙に薄味な感もある.
確かにアルコール13度と,原酒が流行る昨今としてはずいぶん低い度数である.
しかも醸造アルコール添加なので余計に味がマイルドになっている.

何も聞かずにただ口にしたら,「なんじゃこの薄めすぎの越州は」と思ってしまう.

ところが桜日和である.
このラベルだけで一気に形勢逆転という感じである.

桜日和と言われた途端に,「ああ,これは桜の酒だ」と膝を打って納得してしまう

3月半ばに入手して一口呑んだが,即座に,「これは桜が咲くまで取っておかねばならない」と決心した.
桜が咲いたらその下でこれを呑むぞと.

結局この春は子連れで歩いていける距離に良い桜がなかったので残念ながら花見酒とは行かなかったが,春にふさわしい,なかなか良い酒である.

逆に,春を過ぎたら呑む気が失せてしまいそう.
呑むならばうららかな陽気漂う今のうち.

知多蒸留所特製グレーン ★☆☆

ラベル: 知多蒸留所特製グレーン
マイ評価: ★☆☆

  • 蒸留所: サントリー
  • 地区: 知多
  • 原料: グレーン(トウモロコシ)
  • 熟成: 12年
  • アルコール度数: 忘れた
先のBLACK BUSHはモルトとグレーンのブレンディッドでモルトの穀物香が美味かったが,「じゃあグレーンは味がしないの?」とバーテンに尋ねてみた.

バーテン曰く,「基本的に味は目立たないですね.モルトウイスキーの味の調節のために加えられるのがグレーンですから」.
なるほど.
日本酒に添加する醸造アルコールのような役割か.

と話ながら,

「だからグレーンウイスキーというのは単独で商品化されないんですが,非売品でこういうのもありますよ.オマケにしとくんで一口どうぞ」

と勧めてくれたのがこれ.

サントリーと言えば山崎【京都府大山崎町】と白州【山梨県白州町(現・北杜市)】の蒸留所で知られているが,この2つはモルトの蒸留所.
グレーンウイスキーの蒸留所はこれらとは別に,知多【愛知県知多市】にあるのだという.
16へぇぐらいである.

あくまでモルトウイスキーに混ぜるために造っているグレーンウイスキーなので,それ単独では商品化しないが,取引先の酒屋などへのノベルティとしてボトリングして配布したのがこのボトルらしい.

さっそくストレートで味わってみる.

モルトに比べて,
香りが違うと言えば違うし,
コクが無いと言えば無い.

まあ何というか,確かにこれでは商品化しても売れなさそう.

ただ,これでも12年寝かせたものだそうで,期待していなかった分,それなりに美味かったとも言える.

話のネタにはなる.

Black Bush ★★☆

ラベル: BLACK BUSH
マイ評価: ★★☆

  • 蒸留所: オールド・ブッシュミルズ
  • 地区: アイルランド
  • 原料: モルト+グレーン
  • 熟成: 忘れた
  • アルコール度数: 40%
行きつけのバーで「一度アイリッシュを呑んでみたい」と所望した.
アイリッシュはスコッチに比べると蒸留所が数えるほどしかないらしい.
その中の代表的な1つを勧めてもらった.

聞けば,アイリッシュはピートを使わないそうである.もっぱら木炭.
なので呑みやすい味に仕上がる.
そしてこのBLACK BUSHはグレーンウイスキーも加えたブレンディッド.

実際の味も,分かりやすくて呑みやすい.
軽やかで甘い口当たり.
最後に穀物様の香りが鼻に抜けていく.
バーテンに尋ねるとモルトの香りらしい.
自分はスコッチのピート臭に慣れてしまっていたのでモルトの香りに今まで気付かないでいたようだが,モルトとは穀物の香りがしっかりするものなのか.

安心できるウイスキーであった.
あまり深く考えずに気楽にウイスキーを呑みたいときにちょうどよいか.

とりあえずアイリッシュを初体験しましたと言うことで.

Bowmore 16 wine cask matured ★★★

ラベル: Bowmore 16 years Wine cask matured
マイ評価: ★★★

  • 蒸留所: Bowmore
  • 地区: アイラ島
  • 原料: シングルモルト
  • 熟成: 16年(6年バーボン樽→10年ボルドーワイン樽)
  • アルコール度数: 53.5%

昨年来のお気に入りである.
行きつけのバーテンが昨年,「これ最近自分で気に入ってるんですよ」と勧めてくれたのが最初.

ボウモアの16年と最初に聞いて,珍しい熟成年数だと思ったら,「wine cask matured」である.
バーボン樽で最初に6年寝かせた後,ボルドーワインの樽に移し替えて10年.
グレンモーレンジなどで「○○ finished」というのを見かけるが,あれは最後の2年ぐらいのことらしい.
これはワイン樽での熟成が10年の長きに渡るためか,「finished」でなく「matured」.

カスク・ストレングスなので53.5%とかなり強め.
無防備に口に含んだ女性が吹いたのを見た.バーで酒を吹いてはいけません.

さてボウモアはアイラの中ではバランスのとれた味だと思うが,それでもピート臭ははっきりしている.
そのボウモアのピート臭が,このボトルではワイン香と混ざり合ったような雰囲気となり,口中で華やかに踊るようである.
ピートとワインが引き立て合って競演しているとでも言うか.
アルコールの強さが気にならないほどの華やかさである.

これは美味い.

なまなかな酒屋の店頭では見かけないし,一度だけ見かけたことがあったが随分高かった.
ネット通販でも売り切れ表示が多い.

でも一度は手元に買ってみたいスコッチである.

DOUBLE BARREL ★★☆

ラベル: DOUBLE BARREL
マイ評価: ★★☆

  • 蒸留所: Macallan+Laphroig(※製造元は忘れた)
  • 地区: スペイサイド+アイラ島
  • 原料: シングルモルトのバッティング
  • 熟成: 12年+8年
  • アルコール度数: 46%
実はウイスキー,特にスコッチのシングルモルトにも少しはまっている.
もっとも,1瓶が高いし,アルコールも強いので1瓶呑みきるのに時間がかかるので,日本酒ほどたくさんは呑めていない.
主にバーでチビチビ嗜む程度である.

その行きつけのバーに,何とも久しぶりに顔を出した.
約9ヶ月ぶりであった.
日曜の夜半,馴染みの客が1組残っているだけの頃合いに,無沙汰を詫びる気持ちでこっそり足を踏み入れた.
バーテンは驚いた顔をしながらも,以前と変わらず暖かく迎えてくれたのが嬉しかった.

9ヶ月分の四方山話をしながら,「何か変わったもの」と頼むと最初に出してくれたのがこれ.
これは初めて見た.

ダブル・バレルと言ってもショットガンのことではない.
Macallanの12年とLaphroigの8年,いずれもシングルカスク物を,1:1でバッティングしたという変わったスコッチである.

マッカランは王道(?)のスペイサイド,ラフロイグはアイラ島でもとりわけ個性的.っていうかラフロイグって昆布じゃん.
混ざったら一体どんな味になるのやらと早速ストレートで一口含んだ途端,
「実際呑んだら思いっきりラフロイグなんですけどね」
と飄々とバーテン.

このバーは実に行き届いた接客で,チーフバーテンの洋酒とカクテルの博学ぶりは半端でない.
酒を五感と理性と情感の全てで楽しませてくれる,岐阜が日本に誇る最高のバーである.
料理もとびぬけて美味い.
大変な苦労を重ねながらも店を支え続けるこのチーフバーテンダーに,自分より年下ながらも常に敬意を抱いている.

今や店の顔となったチーフバーテンだが,飄々とした表情で鋭くハズしてくることがしばしばある.
抑えの効いた笑いの取り方が自分は好きである.

絶妙なタイミングで出されたコメントに,確かに納得する.
思いっきりラフロイグだ.昆布だ.どこがバッテッドウイスキーなんだ,と最初は思う.
しかし,ラフロイグの強いピート臭が去った後,マッカランの深みのある甘さがいつまでも後味に残る

なるほど面白いスコッチである.

毎回呑みたいとは思わないが,たまにはこういうのも良いかなと.

それにしても9ヶ月ぶりのスコッチがこれってどうよ.

2010/05/08

鶴齢・特別純米:酒米4種4連発



ラベル: 鶴齢・特別純米・山田錦/越淡麗/美山錦/五百万石

  • 蔵元: 青木酒造(新潟県南魚沼市)
  • 屋号: 
  • 製造: 21BY(確か五百万石だけ20BYだったような)
  • 酒米: 山田錦/越淡麗/美山錦/五百万石の4種
  • 精米歩合: いずれも60%
  • 酵母: 不明
  • アルコール添加: なし
  • 日本酒度: 不明
  • アルコール度数: 不明
  • 美味しかった呑み方: 冷蔵
  • 火入れ: あり
知人が「鶴齢の特別純米で4つの酒米で造り比べたというのを手に入れた」と利き酒に誘ってくださった.
ホイホイと着いていく.

鶴齢は米どころ魚沼は塩沢地区,かの「北越雪譜」の鈴木牧之(ぼくし)の生地とのことである.
蔵元のサイトによれば,「鶴齢」の名も牧之が名付けたとか.
最近宮脇俊三をしきりに読み返しているが, 氏の著書には北越雪譜が何度か紹介され,雪国の厳しさを切々と伝えているという.

読み返すにつれ,宮脇俊三は蓋し名文家である.
戦後間もない頃に鉄道紀行を確立した百閒先生の「阿房列車」には心底舌を巻いたが, 「時刻表2万キロ」と続く「最長片道切符の旅」は間違いなく現代の阿房列車である.
阿房列車の人を食ったようなあまりに飄々とした文体は,その実,百閒先生が身を削るようにして推敲を重ねた結実と聞いている.それを知ったとき文筆家の凄まじさに驚嘆したものだが,超の付く乗り鉄でありながらもらしさを微塵も感じさせない宮脇氏の抑えた筆致もまたそうした推敲の果てなのだろうか.

いや話は鉄道ではなく酒である.

これは蔵元が「鶴齢」のラベルで4種の酒米(酒造好適米)で同じ精米歩合で造り比べたという面白い純米酒たちである.
麹や酵母のことまでは分からなかったが,おそらく同じ条件で造ったのであろう.
実は蔵元のサイトを覗いてもこの4種の酒は紹介されていない.
期間限定の企画品だったのだろうか.


さて利き酒の席に身を収め,やおらいただいた.
山田錦→越淡麗→美山錦→五百万石
の順に賞味.





ラベル: 鶴齢・特別純米・山田錦
マイ評価: ★★☆
さすが山田錦である.
山田らしい華やかな香りがすぐに口全体にひろがる.
特に,口に含んだ最初の2-3秒間,舌の表面だけに現れる柑橘系の香りの“層”が舌の上を滑る感じになる.
これは面白い.

面白くて美味いのだが,山田錦はあまりにメジャーすぎて自分は少々持て余す感がある.
天の邪鬼と言ってしまえばそれまでだが, 実際,この香りの強さはなかなか食中酒としては成り立たないし,何口か呑むと舌が飽きてしまう気もする.

というわけで★2つ.



ラベル: 鶴齢・特別純米・越淡麗
マイ評価: ★★★
次は越淡麗.
越淡麗については「田友」のポストを参照.
やはり米の名の通り淡麗な印象が第一.特に山田錦の直後では余計にそう感じる.
しかし,山田錦の向こうを張るために新潟県が苦心して開発したという米だけあってただ淡麗では終わらない.
淡麗の向こうに,スキッと鋭く旨みを研ぎ澄ました感じが溢れてくる.
山田とは違うフルーティな香り.
その香りの下側で,抑えた甘みと抑えた旨味.
しかしその甘さ・旨味がほのかに舌に残り続ける.
いつまでも残るので,また次の一口が欲しくなる.
美味いっ.

着流しの和服が似合う切れ長美人の居酒屋女将といったところか.





ラベル: 鶴齢・特別純米・美山錦
マイ評価: ★★☆
美山錦は長野県生まれの酒米である.
長野の地酒と言ったら美山錦.
それを新潟の蔵元が使ったわけである.

美山錦は独特の酸味があるように自分は思う.思い違いだったらごめんなさい.

鶴齢の美山錦は淡麗に造られているが,越淡麗とはひと味違った淡麗さである.
比較で言うなら,鋭く切り込んでくるカミソリのような淡麗さ.


切れ長の美人女将に対比するなら,祭鉢巻きを締め上げたいなせな祭娘といったところか.
↑全然分かんねーよ

ただ,「本物の地酒」へのこだわりというわけでもないが,長野の米で新潟の造りというのが100%調和しているとまでは言えなかったか.
美味い酒ではあるが,★2つとしておく.




ラベル: 鶴齢・特別純米・五百万石
マイ評価: ★★☆
確かこの五百万石のだけ20BYで1年熟成だったはず.理由は不明.

それはともかく.

ある意味で「さすが五百万石」.
五百万石らしく,全く華はない.
言わずとしれた新潟の米・五百万石であるが,いかにも新潟の酒らしい,質実剛健で実直な抑えた味わいである.
男が黙って呑む酒,とでも言いたくなるような.

切れ長の美人女将でもなく,いなせな祭娘でもなく,
丁稚奉公の年季を納めた後も店に忠義を尽くして勤め上げている真面目が信条の番頭,みたいな酒である.
↑ますます分からん

★は2つだが,雪国の厳しさを思い浮かべて眉間に皺を寄せて酒を呑みたいときは,これ.

着信御礼 m(_ _)m

最近ブログのポスト間隔が延びていたが,その間にもご訪問いただいているようで,気がついたら簡易カウンターが400を超えていた.
いつもご訪問ありがとうございますです.m(_ _)m

Urchin(Google Analytics)によると,検索円陣経由の方が7割.
ノーリファラーの2割の方々はブックマークしてくださっているんでしょうか?それともメールフッターのリンクから?
1割の方は参照サイトからとのことですが,初緑の「酒蔵おかみのブログ」さんしか心当たりがありません.
いずれにせよ皆さまありがとうございますです.m(_ _)m

さらにUrchinによると,トップページを除いて最もアクセスが多いのは,

Windows Mobile 6.1 (HT-01A)でデフォルトブラウザを変更

だそうで.皆さん結構困っていらっしゃるんですね.

日本酒関係で最もアクセスが多いのは,

久保田・生原酒(特別本醸造) ★★★

やはり久保田のネームバリューが高いからか?

ちなみにこの久保田生原酒,後にもう1本手に入ったので納戸で放置プレイ敢行中.冬の寒さも夏の暑さも室温放置なので1年後が楽しみ.

というわけで今日は一気に更新.

今後ともよろしくお願い申し上げます.m(_ _)m

2010/04/23

ついにGoogleがGmailでのフォルダ階層化を実装

「メールは無秩序に溜め込んで必要時に検索すべし」という新しいコンセプトを前面に打ち出したのがGmail.
だからフォルダ分類(Gmailの場合「ラベル」)には積極的とは言えなかった.
実際,タイトルが同じメールは複数のラベルが付されてスレッド分割も出来ない(Googleはスレッド分割機能は実装するつもりがないとFAQではっきり言っている).
ましてやラベル(フォルダ)の階層化なんて「検索するというコンセプトに反する」とでも言いたげにそっぽを向いてきた.
だからFolders4GmailなんかをGreaseMonkeyでインストールするしかなかったのだが.

4月22日ごろからFolders4Gmailが動作していないことに気付いた.
以前も同じことがあったので,再び開発元を訪れてみた.
すると….

You should use Gmail’s new Nested Labels Lab Feature instead of Folders4Gmail.


こちらも参照.

つまりGmailのLabs機能でラベルの階層化がついに実装されたとのこと.
早速LabsでNested Labelsを有効にしてみた.
たぶん下記のリンクでいいんじゃないでしょうか.
https://mail.google.com/mail/#settings/labs

注意点として,
  1. Folders4Gmailのスクリプト(ないしBetterGmail2)を無効化or削除すること
  2. Folders4Gmailと違って,親ラベル自体が独立したラベルである必要があること
  3. Folders4Gmailと違って,厳密にCase sensitiveであること
などがあげられている.

特に2.が要注意か.
つまり,Folders4Gmailでは,
  • Family/Wife
  • Family/Kids
の2種類のラベルだけ作成すれば階層化が有効だったのが,
Labsの場合は,
  • Family
  • Family/Wife
  • Family/Kids
の3種類を(「Family」ラベルも独立して)作成しないと階層化が有効にならない.

とまあ多少の仕様の違いはあるが,いよいよGoogleが「“ただ検索”だけじゃあユーザ・エクスペリエンスを満足させられないらしい」とようやく方向転換したらしいというのが,ちと痛快.

2010/04/11

HTCてやんでえばーろーべらぼうめこのすっとこどっこいのこんちきちんのおとといきやがれ

HT-01A(Windows Moblie 6.1)で祭の動画を撮影した.
ところが帰宅して再生してみると音声が最初の2-3秒で「プつっ」と言って切れてしまう.以後は無音の動画が延々と続く.音声が最初の2-3秒しか録音されないのだ.
撮影した全ての動画がそうなっている.
PCに読み込んで再生しても同じ.

試みにその場で部屋の風景を動画撮影してみたが,現象が再現される.

いろいろ実験してみたら,

■マナーモードに設定された状態で動画を撮影すると,音声が最初の2-3秒までしか記録されない

と発見した.
マナーモードでなく通常音声モードに設定された状態で撮影すれば,問題ない.

「プつっ」という音の切れ方がハードウェア(マイクか何か)異常のように思えたのでdocomoショップに持ち込んだ.
念のため事前にマニュアルを丹念に読み返したが,動画撮影の項にもマナーモードの項にもそうした記述は全くない.

カウンターのお姉さんは,「本機種の不具合は全て『スマートフォンセンター』へのお問い合わせとなりますのでお時間を少々いただきます」と曰う.
スマートフォンセンターなるものがdocomo内にあるとは知らなかった.
要はdocomoショップ店頭ではスマートフォンのことは分かりません,ということ.

待たされること1時間.
お姉さんが恐縮して回答した.
回答内容は以下の通り.

  • 本docomoショップの店頭でも同じ現象が再現された
  • スマートフォンセンターに問い合わせたところ,スマートフォンセンター内の同型機でも同じ現象が再現された
  • スマートフォンセンターがメーカーのHTCに問い合わせたところ,「仕様です」という回答があった
  • マニュアルにも書かれていないことでお客さまには大変申し訳ありません.今後は動画撮影時にはマナーモードを解除してください

てめえHTCこのやろうどこみてあるいてんだばーろーてやんでえこのすっとこどっこいおとといきやがれ

二度とHTC商品は買わない.

2010/04/04

Firefox 3.5のGmailでプロポーショナル・フォントと等幅フォントを都度切り替える

Gmail自体には表示フォントを切り替える機能はない.

自分はウェブブラウザのフォントは常にプロポーショナルで表示するのが好み(Tahomaを指定).
Gmailも殆どのケースでプロポーショナル表示で問題はない.
英語圏のメーリングリストにも加入しているので,英文をいちいち等幅フォントで表示されると格好悪いわ読みづらいわ.Tahomaは欠かせない.

しかし,Gmailでも日本語の内容によっては等幅フォントを表示したくなることがある.
例えば,列車の乗り継ぎ時刻をリストアップするときとか(←お里がばれる).
そんなとき,Gmailにフォント切替(プロポーショナル⇔等幅)がないのは痛い.

そこでいろいろ検索したが,よく引用されるGreasemonkeyのスクリプトを使う方法はどうもうまくいかない.
何しろリスト表示されたメールをクリックしても本文が一向に出てこないのだ.
Better Gmail 2をインストールしているせいでコンフリクトしているのかもしれない.

悩んだ結果,次のようなシンプルな方法に辿り着いた.

■アドオン「Stylish」を使う
1. アドオン「Stylish」をFirefoxにインストールする
2. Gmailを表示させる
3. Firefoxの外枠右下のStylishのアイコンをクリックして,ポップアップメニューから「新しいスタイルを書く」を選択する
4. 「mail.google.com専用…」を選択する
5. 「名前」は「Gmail等幅フォント」のように適当に分かりやすくつける.
6. スクリプトは下図のように書く


7. この次がちょっとしたコツなのだが,Firefoxのオプション,
「ツール」メニュー
→「オプション」
→「コンテンツ」タブ
→「フォントと配色」
→「詳細設定」
で,「等幅」の項目にきちんと等幅フォントを指定しておく.たぶんFirefoxのデフォルトでは「MSゴシック」 になっていると思う.
ミソとしては,日本語フォントでなく英文フォントを指定しても良い
「MSゴシック」での英数字フォントは非常に格好悪くて嫌いである.だからLucidaやCourier Newなどの英文等幅フォントのように,まだしも格好悪くないフォントを使いたいのである.
なぜこれで良いのかと言えば,Windowsでは英文フォントを指定されているにもかかわらず日本語を表示せねばならない状況では,自動的にMS Pゴシックなどの標準的な日本語フォントを表示するという仕様になっているためである.

※ちなみに下記の「ゴシック体」でTahomaを指定しているのも同じ理由で私が選択しているものである.


8. 以上で設定終了.試しにGmailの画面でStylishの「Gmail等幅フォント」をOFFにしている状態でのGmailのメール本文と,


ONにしている状態でのメール本文を比べてみる.



ONだときちんと等幅フォントで表示され,崩れがないことが分かる.
このON⇔OFF切替による画面再描画は一瞬で,全くストレスない.ページのリロード(再読込)も不要.

Greasemonkeyのようにスクリプトを使うのでなく,スタイルシートの切替だけで一瞬で切り替えてくれるので実に便利である.

2010/03/14

梅乃宿・生酛・特別純米・無濾過生原酒 ★★★

ラベル: 梅乃宿・生酛・特別純米・無濾過生原酒
マイ評価: ★★★

  • 蔵元: 梅乃宿(奈良県葛城市)
  • 屋号: 
  • 製造: 21BY
  • 酒米: 山田錦/日本晴(どっちかが麹米でどっちかが掛け米)
  • 精米歩合: 60%
  • 酵母: 不明
  • アルコール添加: なし
  • 日本酒度: 不明
  • アルコール度数: 17度以上18度未満
  • 美味しかった呑み方: 冷や
  • 火入れ: なし(生原酒)
酒屋でひとしきり日本酒談義に花が咲いた後,「これ面白い酒だよ」とおやじさんが店の奥から大事そうに出してきてくれた酒.
梅乃宿酒造の生酛だが,無濾過生原酒を数量限定で出荷したとのこと.梅乃宿のウェブサイトには出ていない(いくつかの酒屋のサイトには出ているが)から,よほど限定品なのかもしれない.

個人的には無濾過生原酒は最近ちょっと飽きてきた感があるのでどうかと思ったが,飲んだらすぐに吹き飛んだ.

美味い.

生酛を呑んだのはまだこれで3本目ぐらいだが,どうも生酛には共通する特有の酸味があるよう.
この生酛も独特の酸味.でも決して嫌な酸味ではなく,香りと旨味が溶け込んだ優れものの酸味
そして生原酒とは思えない,舌触りの柔らかさ.実際アルコール度数も原酒にしては珍しい方なのかな,18度未満と控え目.ピリピリ来るきつさは皆無.まるで加水したような柔らかさ.

60%と低めの精米ながらも香り高いのは山田錦ならではなんだろうか.

美味い.

蔵元によると,『昔ながらの「木製半切り桶」「木製蕪櫂」での伝承造りにこだわった生酛造り』とのこと.
金属タンクで工業的に作るのが当たり前になっている現代にこうした造りを伝えているのは嬉しいですね.

こんなの呑まされると無濾過生原酒も再びいろいろ呑みたくなるなあ.
そして生酛ももっともっと呑みたくなる.

2010/03/09

七本鎗・純米(玉栄)・14号酵母 ★★☆

ラベル: 七本鎗・純米(玉栄)・14号酵母
マイ評価: ★★☆

  • 蔵元: 冨田酒造(滋賀県木之本町)
  • 屋号: 七本鎗
  • 製造: 21BY(平成22年2月)
  • 酒米: 滋賀県産・玉栄100%
  • 精米歩合: 60%
  • 酵母: 協会1401号(※協会14号の派生酵母)
  • アルコール添加: なし
  • 日本酒度: +4
  • アルコール度数: 15度以上16度未満
  • 美味しかった呑み方: とりあえず冷や
  • 火入れ: あり
最近日本酒のことばかり書いていたらAdSenseに酒の通販の広告がたくさん出るようになったが,今日ついに….


Googleさんに心配してもらったのか自然食研さんに心配してもらったのか分かりませんが,酒量は1日1合を超えないよう常に注意しておりますし,週に1日以上休肝日を設けておりますし,年に1度は健康診断を受けておりますので,どうぞお目こぼしのほどを.m(_ _)m

さて気を取り直して,お気に入りの蔵元・七本鎗(冨田酒造)を久しぶりに賞味.

七本「鎗」.「槍(きへん)」ではなく「鎗(かねへん)」です.
蔵元のウェブサイトもドメイン名が「7yari.co.jp」と気合い入ってます.
賤ヶ岳の戦いで武功をあげた武将達.実体がどうだったかという議論もあるらしいがそれはさておき.

以前岐阜県の山間地・旧坂内村(現・揖斐川町坂内)に住んでいた時期があり,村はずれの八草峠という峠を越えるとそこはもう滋賀県だった.
何度か峠を越えて滋賀県側の麓・木之本町に遊びに行ったが,本当にこぢんまりした町ながらも,風情ある古い街並み保存あり,歴史ある地蔵尊あり,風流で美味しい寿司屋あり,近代的ながら伝統の美味しい和菓子屋あり(でっち羊羹最高),そして美味しい酒蔵ありで,大好きな町だった.

その美味しい酒蔵がこの冨田酒造で,滋賀県産の山田錦を使って香り高い良い酒造りをされる.
何でもこの酒蔵,かの北大路魯山人が投宿していたとか.ラベルの「七本鎗」も魯山人の篆刻をそのまま使用しているらしい.

今回買い求めたのは,滋賀県産・玉栄100%の純米酒.
【※玉栄って滋賀県生まれの酒米だと思い込んでいたが,調べてみたら(リンクの「た行」を参照)愛知県農業試験場の開発らしい. 愛知県生まれながらも,滋賀県に最も適しているとのことで滋賀県で多く栽培されているよう.滋賀県農業試験場開発の酒米は,吟吹雪.次は吟吹雪にトライ】

キリッとした味わい.でも淡麗ではない.旨味はきちんとある.
旨味はあるが,旨味を敢えて広げさせず四角にきっちりまとめました,という印象.そう,四角

協会酵母14号は酸が少な目になるらしく,1401号はその派生(泡無し) だそう.酵母のことはまだよく分からないなあ.

先の「初緑・ひやおろし」が天女なら,この七本鎗は男気.「江戸の世,裏街道渡世に身をやつした己を恥じながらも一宿一飯わらじを脱いだ先には命を懸けて仁義を尽くすやくざ者」みたいだね,とヨメに言ったら例によってハナで嗤われる

そのヨメ曰く,「あー,これ呑んだら刺身が食べたくなった」.
そうですね,刺身も合いそうだし,小料理屋で小鉢を突きながら一献,という感じです.

2010/03/07

菊姫8連発

 
先輩に誘われて「一見さんお断り・完全予約制」の和食屋で会食した.
といっても高級料亭などではなく,初老のご夫婦2人だけで営まれるごくごくこぢんまりした店.そういう店なので店名は書かない方が礼儀であろう.
事前にストリートビューで店構えを確かめたらあまりに小さくて目を疑い,足を運んでこの目で見た店舗も“場末のおでん屋”に見間違われても仕方ないような外観.えらく低いサッシのドアを頭を縮めてくぐる.

さて料理は言うまでもなく絶品だったのだが,それは皆さんご自分の舌で確かめてください.(←イヤミ)

本題はもちろん酒.

料理と並ぶこの店の決定的な売りは,石川県を代表して全国にその名を轟かせる菊姫全ラベル完備していること.最高ランクの菊姫は金を積むだけでは手に入らない代物らしい(ちょうど八海山の金剛心のような位置づけか)ので,そのことだけでもこの店が蔵元(あるいは取次店)からいかに尊重されているかが分かる.

筋金入りの日本酒好きの先輩ばかりと会食したので,料理を食べに行ったのか菊姫を呑みに行ったのかどっちやらで,それでも皆翌日のことを考えて控え目に控え目で菊姫8連発で幕を引いた.
ちなみにメニューの写真を取り忘れてきたが,菊姫全部で20ラベル近くあったか.数えておけば良かった.

今回初めて知ったが,菊姫は全て山田錦
最近自分は,
  • 水は言うまでもなく,
  • 米も地元=当県開発の酒造好適米,
  • できれば酵母も地元=当県開発の酵母or蔵付き酵母,
  • できれば酒母中の乳酸も地元=生酛or山廃
という“本物の地酒”にこだわっているので兵庫の蔵元でない山田錦酒(特にYK35みたいな)は避けつつあるのだが,菊姫ぐらいの別格になるとこだわりません(←権威に弱い).

さて食べ始めて飲み始めて早々に酔いが回り始めたので味を正確に覚えているか自信がないのだが,忘れないうちに8連発一気記載(いつも書く細かい分類は今回は省略.蔵元のウェブサイトでどうぞ).

 
菊姫1発目「先一杯(まずいっぱい)」(写真右)
メニューは右から左へ高級度が増すように並んでいて,どれから行こうか一同迷っていたら女将さんが右から4つ目ぐらいの「先一杯(まずいっぱい)」をラベルどおり勧めてくれた.(※右から2つぐらいは本醸造だった)
純米酒だが,いきなり,
え,これで「まず一杯目」のつもりなのかよ
という出来映え.細かくは覚えていないが,「きっちり・しっかり・良い出来に仕上がりました」という感じ.あかんでしょうこれは.
菊姫2発目「山廃純米・無濾過生原酒」(写真左)
生原酒好きの先輩が所望.
んー,自分はこのところ,火入れ・加水をして「これがうちの味」という調整をした酒をじっくり味わうのが好みになってきているので,上記の「先一杯」の「これのどこがまず一杯目やねん」というインパクトに比べれば穏当な印象(もちろん舌触りは生原酒ならではで穏当ではない).
っていうか,今の自分には生原酒のラベルごとの違いが分かりにくいなー….



菊姫3発目「大吟醸」 
この頃既に酔いが回っていて「美味かった」という記憶しかない….
50%精米.

  
菊姫4発目「B.Y.大吟醸」
BY=Brewing Year,すなわち醸造年度を意味する.ちなみに日本酒の醸造年度は7月~翌年6月だそう.
これだけだとラベルの意味が分からないが,菊姫の場合は熟成させてから出荷する品が多いらしいので,新酒の大吟醸には敢えて「BY」を冠して区別しているとのこと.「年ごとの違いをお楽しみ下さい」とな.
ということは今回呑んだのは21BYということか.
えー,「美味かった」です(笑).

  
菊姫5発目「鶴乃里」
純米です.
なんかね,それまでとは違う「お!」という感じがあったんだけど,忘れちゃいました….すごく旨味が深かったのかな…?
要は「美味かった」です….

  
 菊姫6発目「黒吟」
明らかにこれまでとは一線を画して,一口で「古酒だ!」と分かる味わい.
色も山吹色が他に比べて強い印象.
あとで調べてみたら案の定3年古酒だった.蔵元によると「首吊り」「ビン貯」「三年もの」だそう.首吊りとは俗称で袋絞りのこと.それを瓶詰めしてからの3年貯蔵.
古酒ってもともと得意じゃなかった(というか本当に美味しい古酒を飲んだことがなかった)が,なるほどこれは美味い.
古酒にもはまりそう.

  
 菊姫7発目「にごり酒」
これまでメニューを右から左へと遷移してきたが,一気に右へと揺り戻って右から3つ目だったか5つ目だったか.
ちょうどこの日が3月3日雛祭りで女性の先輩もいたので,白酒代わりに菊姫「にごり酒」.
「以前この店に来たときはトイレに籠もりっきりだったのよー」とあっけらかんと告白するお雛様に乾杯.

  
菊姫8発目「菊理媛(くくりひめ)」
そろそろ料理も大詰めという頃,ついに雛先輩が口を開いた.
ここまで来たら, 菊理媛(くくりひめ),いっとくしかないでしょう」
雛先輩,今日はまだトイレには籠もっていない.

自分はこのラベルはこの店で初めて知ったが,とりあえずメニューには副題のように「十一年古酒」と書いてあるだけ.
「11年古酒???」
10年古酒を酒屋の店頭で見かけたことはあるが,老ね香(ひねか)がよっぽどすごいんだろうと思って敬遠していた(つまり呑んだことがない).
しかし菊姫の最高峰である菊理媛(くくりひめ),いったいどんな味やら.

ところで菊理媛(くくりひめ),白山神社に祀られる神様だそうである.蔵元が霊峰・白山を望む白山市にあるのが由来か.岡野玲子の「陰陽師」にも登場している(7巻・都に呪い出た菅原道真のさらに上空に出現).

値段もまた破格である.
100ml入り程度のコップ1杯で「○千円!」(畏れ多くて書けません;通常のフランス料理店の一番高いディナーコースレベル).1人では絶対に注文できない.
あとでネットで調べてみたら一升瓶が「○万円!」(昔北海道を離れるときに思い出にと大奮発して泊まった洞爺湖のウィンザーホテル1室1泊より高い;その翌年サミットが開かれてビックリだった).

しかし一同酔っぱらって何の異存もない.
全員でコップ1杯をシェアするということで(それまでの酒も大方そうしたが),女将さんにオーダー.
するとコップに注いでくれながら女将さんが一言.
日本酒のうんちくがどうのなんて全部吹っ飛ぶ酒だからね」.

 それまで生原酒がどうの山廃がどうのとさんざんうんちくを語り合いながら菊姫を堪能してきた我々だが,女将さんのその一言にシンとなって居住まいを正して一口ずついただく.

….

…….

……….

「なんだこの普通すぎる美味さは!」

一同全く同じ感想.
何も言われずに呑んだら,「ふむ,きっちり作られたバランスの良い美味しいお酒ですね」と簡単にコメントしてしまいそうな.
ある意味で,「この酒のここがすごい」と言えるところが何もない

でも数秒して気付いたが,「これで11年ものの古酒なのか!?」.
老ね香(ひねか)ゼロ
新酒と言われても疑わない.
そういえば色も殆ど無色透明.山吹色がない.

…決して,拍子抜けなどではない.「こんなものか」という底の見える感想などでは決してない.
何というのか,凄すぎて凄さが分からないというか,凄さが超越していてかえって普通になっているというか.
そこで雛先輩が歴史に残るコメント.
「ああ,酒も深まって極まっていくとグルッと元に戻ってくるんだね」
女将さんの言った「日本酒のうんちくがどうのなんて全部吹っ飛ぶ酒だからねに一同大いに納得.

先日ご縁あって,ある傑出した禅僧にお会いし親しくお話をさせていただいたが,誤解を恐れずに率直に申し上げれば「普通に良い方」だった.
「うわっ,大事了畢底の禅僧ってすごいな」というようなオーラとか威厳のようなものは微塵もなく,十牛図の十枚目「入壥垂手(にってんすいしゅ)」とはこのことだったかとお見送りしたあとでようやく気付いたほど.

そのお坊様を思い浮かべるような,この菊理媛.

敬意を込めて,マイ評価させていただきました.

ラベル: 菊姫・菊理媛(くくりひめ)
マイ評価: ★×
  • 蔵元: 菊姫合資会社(石川県白山市)
  • 屋号: 菊姫
  • 製造: 平成9年
  • 酒米: 山田錦100%
  • 精米歩合: 不明,でもどうでもいい
  • 酵母: 不明,でもどうでもいい
  • アルコール添加: 不明,でもどうでもいい
  • 日本酒度: 不明,でもどうでもいい
  • アルコール度数: 不明,でもどうでもいい
  • 美味しかった呑み方: 冷蔵しか呑んでいない,でもどうでもいい
  • 火入れ: してあるはずだが,でもどうでもいい

2010/03/04

Firefoxアドオン 2題(Redirect Remover,Better Gmail 2 - Folders4gmail)

Firefox 3.5.xで,3月3日ごろからなぜかGoogle画像検索のプレビュー表示がされなくなってしまった.
通常なら画像検索一発目のサムネイル画面で適当にサムネイルをクリックすると拡大されたプレビュー(スライドショー風)が表示されるのに,サムネイルをクリックすると直接リンク先に飛んでしまう.
IE8では正常に動作するのでFirefoxの問題らしい.

問題切り分けのために例によってアドオンを一つ一つ無効化してみると,Redirect Remover 2.6.2が原因と分かった.
特にRedirect Remover自体はここ数週間更新していなかったはずなので,よく確かめなかったが,ひょっとしたらGoogleの方で画像検索時のURLが微妙に変更されていたのかもしれない.
Google画像検索ページをRedirect Removerのホワイトリストに加えてやれば済む話だが,あまりこのアドオンでお得をしたという経験もないので削除してしまった.

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もう一題,同じく3月3日ごろからなぜかBetter Gmail 2の「Folders4Gmail」が作動しなくなっている.Gmailの左ペインにあるラベル(自分は数十種類のラベルを作成して,Folders4Gmailを使って階層表示させている)が階層表示されずにズラズラずらっとひたすら並んでみっともない.
これもサッパリ原因が分からず検索しても答えが見つからず困ってしまったが,翌日,Folders4gmailスクリプト開発者のページにお詫びが掲載されていた


開発者さんが修正してくれるのを待ちましょう.

2010/02/27

初緑・特別純米・ひやおろし ★★★+★!

 

ラベル: 初緑・特別純米・ひやおろし
マイ評価: ★★★+★!
  • 蔵元: 高木酒造(岐阜県下呂市金山町)
  • 屋号: 
  • 製造: 21BY
  • 酒米: 岐阜県産ひだほまれ100%【ひだほまれは唯一の岐阜県生まれの酒米】
  • 精米歩合: 55%
  • 酵母: 不明
  • アルコール添加: なし
  • 日本酒度: +2
  • アルコール度数: 15度
  • 美味しかった呑み方: 冷や
  • 火入れ: ひやおろし,いわゆる「後生」
ああああああ~~~~~何ということか,よくぞ作ってくださいました!!!
高木酒造・南部杜氏・畠山勝美様,これはもう絶品ですよ!!!

たまたま知人に岐阜の地酒を進呈しようと,いきつけの酒屋「中島屋」さんで「ひだほまれ100%の地酒ください」と気軽にお願いした.そこで勧められたのがこれ.
自分も呑んだこと無かったので,自家用にも1本買い求めた.ただそれだけのきっかけ.
中島屋さんによると,「初緑」のラベルは今回誕生したらしく,自分が呑んだこと無いのは当然.
同じ初緑・特別純米の「ひやおろし」と「火入れ」があったので,何となくでひやおろしを選んだ.

自分が呑む前に知人に進呈し(いい加減な贈り物で済みません),帰宅後に自分でも開けてみた.
疲れて帰ってきたので一口だけ飲んでパッパと寝ようと.

が.

が.

が!!!

美味い!!旨い!!うまい!!!

 何というのかこう,ふわっと流れるようなと言うか,優しいというか,うむ,これはまともに言語化できない.
言語化できないから,画像化してみた.


(Powered by Inkscape 0.46)
こんな絵まで描くなんて,アホです.
この画像を嫁に見せたらハナで嗤って,やおら一口呑んでしばらく考えて一言.
「うん.これ,天女の羽衣だよ」
(特別出演・古田へう○もの守殿)

ヨメあんた,上手いこと言うねえ.
この柔らかい感じはひやおろしならではのところもあるのかと想像する(火入れも飲み比べてみないと分からないが).
でも決して,ウケや流行りを狙ったような浮ついた羽衣ではない.あくまでも実直で真面目でしかも良い意味での「こぢんまり」感がしっかり伝わる良品である.
何口か呑むと,旨味に裏付けられた甘みが口中に残るようになる.でも全くしつこくない.むしろ止まらない.一口で終えるつもりだったのが,やめられないとまらない「かっ○えびせん」状態に.

岐阜の地酒は全体としてはたぶん日本一を争えるようなレベルではないのかもしれないが(蔵元さん達ごめんなさい),だからこそ,地産のものでじっくりしっかり良い酒を造ろうとする静かな心意気が伝わるようで,とても嬉しい.
だから,味だけでも自分としては★★★だが,さらにそこに岐阜県民としての応援を込めて「+★」.

これきっと,鮎に合う.鮎の塩焼き,鮎魚田,鮎雑炊.岐阜の酒に,岐阜を代表する魚・鮎.
今は2月だから鮎は手に入らないけど,夏に鮎に合わせて是非呑んでみたい(でもその頃はひやおろしとして存在していないかも).

2010/02/13

久保田・生原酒(特別本醸造) ★★★

 

ラベル: 久保田・生原酒
マイ評価: ★★★(さらに数ヶ月後・数年後に期待)
  • 蔵元: 朝日酒造(新潟県長岡市)
  • 屋号: 久保田
  • 製造: 21BY
  • 酒米: 地元産の五百万石100%
  • 精米歩合: 55%
  • 酵母: 不明
  • アルコール添加: あり
  • 日本酒度: 不明
  • アルコール度数: 18-19度
  • 美味しかった呑み方: 冷や
  • 火入れ: もちろんなし
実はたまたま蔵元を見学する機会があって,一通り工程を拝見し,最後に絞り槽のところまで来たところで絞ったばかりの生原酒のテイスティングのチャンス…と思ったら,「あー,もう出荷しちゃってないですね」….残念無念.

それから数時間後に隣町の酒屋へ.
すると酒屋の店主が「まだ1時間前に入荷したばかりだよ」と見せてくれたのがこの酒.
つまり,自分が蔵元見学でテイスティングし損なったその酒に,瓶詰めされた状態で酒屋でついに出会ったという次第.
これはご縁でしょうということでもちろん買い.

あとで調べて分かったが,久保田ラベルの誕生(復活?)20周年を記念して初めて市場に出された貴重なものだそう.偶然にも出荷のその日に蔵元を見せていただき,店に入荷したホヤホヤ商品を買い求める機会に恵まれたというわけ.
これは何かのご縁ですな. これからも久保田をご贔屓にさせてもらいましょう.

さて入手してすぐに開栓,賞味.
生原酒なので微発泡感はもちろん舌に突き刺さるが,それほど強い印象でもない.
味は他の酒蔵の生原酒に比べると大人しい方かもしれない.甘みもそこそこ,香りもそこそこ.
開栓して数日間は「まあ生原酒だから美味しいけどこんなものかな」という感想だった.
ところで数日してからようやくアル添だったと気付く(ラベルには生原酒としか書いてなくて本醸造とは書いてない;裏をよく見ればアル添はちゃんと記載されていた).大人しい感じはそのせいもあったのかな.

ところがところが.
数日おきにちびりちびり飲んでいたが,3週間目ぐらいにふと気付く.
味が変化している!!
開栓直後に比べて,明らかに味がまろやかになり,味わいが増している.飲み終えた後の口中に残る余韻が良い.
なるほど生原酒だから日を追って変化していくのだろうが,それにしても3週間目で変化が分かる酒は初めて出会った(もっとも生原酒自体10種類ぐらいしか呑んだことないのだが).

以前「世界一旨い日本酒 熟成と燗で飲る本物の酒 (光文社新書)」という本(Amazonはこちら)を読んだが,これによると,
本当に美味い酒とは,常温熟成(要は室温で放置)させても味が崩れないで熟成されていく酒であり,しかもそれを燗で呑むのがよい
とのこと.
通常は高級酒ほど「冷蔵保存,開栓後はお早めに」が常識になっているが,この本によれば,
冷蔵で開栓直後に呑めば美味いが時間が経つと不味くなる酒というのは,造りがしっかりしていないダメな酒
 と一刀両断.賛否両論あるだろうが痛快ではある.

で,本書の筆者は,これはと思う酒は純米大吟醸だろうが生原酒だろうが室温で数ヶ月でも数年でも放置して熟成させて燗付けて呑むらしい.

ちょっと真似してみたいなー,と思っていたが,この「久保田・生原酒」ならその放置プレイに堪えられる「造りの良い酒」なのではないかと十分期待させるものがある.

貴重品だからもう手に入らないかもしれないけど,もし手に入るならもう3本ほど手に入れて,数ヶ月放置バージョンと数年放置バージョンを自分で試してみたいところ.

そういえば京都の日本酒バー「よらむ」さんで呑ませてもらった酒に,「ある蔵元の生原酒をこの店で丸3年室温放置したもの;冬の冷気も夏の熱気もそのままにさらしてあります」という貴重品があったが,未だかつて呑んだことない味だった.あの時はいい加減酔っぱらっていたので味の細かいところを覚えていないのだが,「生原酒で3年放置されて尚このしっかりした味なのか」と驚いたことだけは記憶に鮮明.

上記の著者の言う通りかもしれない.

「久保田・生原酒」,手元に残っている分だけでももっと長期間熟成(放置)させてみたいが,その前に全部呑んでしまわないか心配.

洗心・純米大吟醸 ★★☆

 

ラベル: 洗心・純米大吟醸
マイ評価: ★★☆
  • 蔵元: 朝日酒造(新潟県長岡市)
  • 屋号: 久保田
  • 製造: 21BY
  • 酒米: たかね錦・減肥栽培(たぶん100%)
  • 精米歩合: 28%(!)
  • 酵母: 不明
  • アルコール添加: なし
  • 日本酒度: +2
  • アルコール度数: 15度
  • 美味しかった呑み方: 冷や
  • 火入れ: あり
「久保田・百寿」「久保田・千寿」は全国どこの居酒屋でも見かける有名ブランド.
その久保田の蔵元(朝日酒造)が誇る最高級品がこの「洗心」だそう.4号瓶で約5,000円なり.

が…すいません,お上品すぎて野卑な私には魅力が100%分かりかねまする.

大吟醸だけど香りはかなり控え目.薄いとか足りないとかの控え目ではなく,あくまでも研ぎ澄まされた無駄のない静謐な感じ.
だからとても呑みやすい.日本酒嫌いな人でもスイスイ呑んでしまうだろう.八海山・純米吟醸に似たところがある.
でも,でも,もっと自己主張の強い酒が今どきの好みの私にとっては,お上品すぎる.5,000円の大枚はたいた実感が今ひとつ湧き上がらない.

もっと歳を重ねてもっと色んな酒を呑まないとこの酒の本当の魅力は分からないかもしれないなあ.
自分の未熟さに乾杯.

GmailをGmailでバックアップする

長年使ってきたメールアドレス(プロバイダ仕様)をうっかりスパマーに漏らしてしまった…_| ̄|○

仕方ないのですぐに放棄してGmailをメインに切り換えることにした.

その際知った,「Gmailの全メールを別のGmailアカウントでバックアップする」という裏技.

今後メインで使うGmailが何らかの理由でまた放棄しなければ行けなくなったときに備えて,メールそのものを別アカウントにリアルタイム・バックアップ(ミラーリング)しておこうと考えた.


前提
  • バックアップ元(既存)のGmail,hoge@gmail.comは,最初のGoogleアカウント取得時に他のプロバイダのメールアドレスhogehoge111@provider.jpを登録してある

 用意する材料
  • hogehoge111@provider.jpとは別のプロバイダ系アドレスを用意する.
    hogehoge222@provider.jp
  •  hoge@gmail.comのログインに使っているブラウザとは別のブラウザを用意する
    hoge@gmail.comがFirefoxなら,Internet Explorerとか.

    ※同じブラウザだと新しいログインの後でリダイレクトループに陥ってしまうので注意

手順

  1. 新しいGoogleアカウントを作成する

    バックアップ元のGmail(hoge@gmail.com)で使用しているのとは別のブラウザでGoogleトップページを開く.
    (もしcookieのせいで既にログイン状態になっていたら,画面右上の「ログアウト」でいったんログアウトする.)
    Googleのトップページ右上の「ログイン」をクリック,右上のちょっと下の,
      Google アカウントをお持ちでない場合  
                   アカウントを作成                   
    から入る.
    登録用アドレスには,別のプロバイダ系アドレスhogehoge222@provider.jpを入力する.

  2. 新しく作成したGoogleアカウントで新しいバックアップ先Gmailアカウントを作成する

    Googleに新しいアカウントでログインされるが,この時点では新しいGoogleアカウントはhogehoge222@provider.jpの名前のままになっている.

    トップページ下の「何か新しいことを始めましょう」からGmailを選んで,新しいバックアップ先Gmailアカウントhoge.backup@gmail.comを作成する.

  3. いったんバックアップ元のGmailアカウントhoge@gmail.comに戻りPOPアクセスを有効にする

    hoge@gmail.comの「設定」→「メール転送とPOP/IMAP」→「POPダウンロード」の項目.

    1.ステータス」の欄で「すべてのメールでPOPを有効にする」のラジオボタンをチェック.

    2.POPでメールにアクセスする場合」で「Gmailのコピーを受信トレイに残す」を選択.

    これで一番下の「変更を保存」をクリック.

  4. 再び新しいバックアップ先Gmailアカウントhoge.backup@gmail.comに戻りバックアップの体制を作る

    hoge.backup@gmail.comの「設定」→「アカウントとインポート」→「POP3を使用したメッセージの確認」の項目.

    POP3のメールアカウントを追加」をクリック.

    別のウインドウが開くので,「メールアドレス」欄に,バックアップ元Gmailアドレスhoge@gmail.comを入力.

    次の画面で,hoge@gmail.comのパスワードを入力し,

    POPサーバー」→GmailのPOPサーバー「smtp.gmail.com」になっていることを確認,

    ポート」→「995」になっていることを確認,

    受信したメッセージのコピーをサーバーに残す」はチェック外す,←ここがミソこちらも参照.

    セキュリティで保護された接続(SSL)を使ってメールを取得する」をチェックする,

    受信したメッセージにラベルを付ける:」は,お好みだが,つけない方が後々便利だと思う,

    受信したメッセージを受信トレイに保存せずにアーカイブする」も,お好みで,どうぞご自由に.

    これで一番下の「アカウントを追加」をクリック.

    次の画面で,hoge.backup@gmail.comからhoge@gmail.com経由で送信できるようにするかどうかを尋ねられるので,「いいえ」をチェックして終了.

これでhoge.backup@gmail.comのGmail画面を確認すると,hoge@gmail.comのメールが続々とバックアップされていくのが分かる.
バックアップ終了後もhoge@gmail.comのメールはリアルタイムでhoge.backup@gmail.comにミラーリングされていくので便利.
hoge@gmail.comに2万通ぐらいある場合,hoge.backup@gmail.comへのバックアップには大体24時間ぐらいかかった.

2010/02/10

Windows Mobile 6.1 (HT-01A)でデフォルトブラウザを変更

レジストリの,
  • HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\Shell\Rai\:DEFBROWSER
  • HKEY_CLASSES_ROOT\http\Shell\Open\Command
  • HKEY_CLASSES_ROOT\https\Shell\Open\Command

 のそれぞれの値を変更する.パス全体を""で括る方が無難(後2者の末尾の「%1」は""の外に出すこと).

レジストリの編集はTREで行う.

Gmail オフライン

Google GearsをインストールしてGmailをオフラインで試してみる.
…が,実際に回線を遮断してGmailを表示させようとしても,いつものDNSサーバ見つかりませんエラーしか出てこない.
環境は,Firefox 3.5.7 + Windows XP Professinal SP3.

おかしいなと思って試しにアドオンのNo Scriptを無効化してみる.
すると今度は回線遮断状態でもちゃんとFirefoxでGmail画面が出てきた.

No Scriptはあれば安心だが,そのおかげで助かったという実感も今までなかった.
この際無効化したままにしておく.

2010/02/06

MediaWikiで地獄のリダイレクトループ→ver 1.6.12のLocalSettings.phpはPHP5と一部互換性がない?

備忘録として.

MediaWikiでちょっとした情報ページを自作しているが,ある時サーバ(ロリポップ)がMySQLとPHPのバージョンを上げたので(どちらも4→5),自作ページもアップデートした.

すると,その直後でもないのだが,数時間後から突如として全てのページが表示されなくなった.
Firefoxだと,
ページの自動転送設定が正しくありません.このアドレスへのリクエストに対するサーバの自動転送設定がループしています.

という非情なメッセージが現れる.
じょーだんじゃない.

慌ててindex.php,localsettings.php,redirect.phpなどを見てみるが,どこにバグがあるのか分からない(PHPコードを書けないんだから分からなくて当たり前).

MediaWikiをバージョンアップさせると良いだろうかと考えてみたり,でもレンタルサーバだからデータの完全なバックアップも難しく迂闊なことは出来なさそうだし,と丸1日他の情報を検索.
しかし完全に手詰まり.

仕方がないから出来るだけのバックアップをとった後に,腹を括ってMediaWikiの同じバージョンを上書きインストールしてみた.インストールのダイアログには以前と同じ全く同じ内容を書き込んだ.
するとインストールが完了した瞬間に「以前のMediaWiki用データベースを発見」とメッセージが出て…….

無事に復旧完了!
地獄のリダイレクトループも消滅!

あー良かった,と一件落着.

ところがすぐにURLがおかしいことに気付く.
異常が起きる前のURLは,Wikipediaと同じく,
http://hogehoge.com/hoge/index.php/メインページ
だったのが,復旧後は,
http://hogehoge.com/hoge/index.php?title=メインページ
になっている.いわゆるugly URLというやつだ.

別に閲覧動作に問題はないので支障はないのだが,何となく格好悪い.

そこでMediaWikiのページを参考にしてこの方法を試してみた.
  1. 言われるがままの.htaccessファイルを作成してMediaWikiのディレクトリに置く
  2. LocalSettings.phpの当該部分を指示通りに書き換える(デフォルトでコメントアウトされている箇所を正規にし,逆に正規部分をコメントアウト)
すると……,
地獄のリダイレクトループ再現!!
何じゃそりゃああああああああああ!!!!!!!

面食らいましたね.
そこでもう一度このページの「In LocalSettings.php」の書き換え方をよーーく読み返す.

## If using PHP as a CGI module, use the ugly URLs

$wgArticlePath = "$wgScriptPath/$1";
ふむふむ,で俺のLocalSetting.phpは?
## If using PHP as a CGI module, the ?title= style usually must be used.
$wgArticlePath = "$wgScript/$1";  ←コメントアウト解除
# $wgArticlePath = "$wgScript?title=$1";  ←こちらをコメントアウト
ふむふむ,間違ってないじゃないか……え???

## If using PHP as a CGI module, the ?title= style usually must be used.
$wgArticlePath = "$wgScript/$1";  ←コメントアウト解除
# $wgArticlePath = "$wgScript?title=$1";  ←こちらをコメントアウト
あれ?で,正しくはどうあるべき?

## If using PHP as a CGI module, use the ugly URLs

$wgArticlePath = "$wgScriptPath/$1";
 あれーーーーー?????「$wgScript」と「$wgScriptPath」じゃ違うぞ?????
そこで自分のLocalSettings.phpをさらに修正してみた.

## If using PHP as a CGI module, the ?title= style usually must be used.
$wgArticlePath = "$wgScriptPath/$1";  ←さらに修正
# $wgArticlePath = "$wgScript?title=$1";
すると…….
地獄のリダイレクトループは消滅し,ugly URLが美しいshort URLに!!
ついでに言うと,short URLは復旧前よりも更に短くなってくれていた.ありがたや.
復旧前: http://hogehoge.com/hoge/index.php/メインページ
復旧後: http://hogehoge.com/hoge/メインページ
PHPコードをまともに理解しないまま適当にやっただけの結果だが,推測するに,
MediaWiki 1.6.12が生成するLocalSettings.phpはshort URLに関してPHP5と互換性がないんじゃないか?
という怪しい結論になった.

ということは最初のリダイレクトループも再インストールなんかしないで「$wgScript」を「$wgScriptPath」に書き換えるだけで解決していたのかも知れない.

ともあれ結果オーライ (← きちんとPHP勉強しろよ).

2010/02/05

越の寒中梅・亀の尾・純米吟醸 ★★☆

ラベル: 越の寒中梅・亀の尾・純米吟醸
マイ評価: ★★☆
  • 蔵元: 新潟銘醸(新潟県小千谷市)
  • 屋号: 
  • 製造: 21BY
  • 酒米: 亀の尾
  • 精米歩合: 55%
  • 酵母: 不明
  • アルコール添加: なし
  • 日本酒度: +2~+4
  • アルコール度数: 15度
  • 美味しかった呑み方: ぬる燗
  • 火入れ: あり
 「実直な酒」,そんな感じを受ける.

 最初に冷やで口にしたとき,まず「あ,これは燗付けて呑みたいな」と感じた.
 香り高い酒をよく見かけるせいか,相対的に古風(?)というか実直な印象の味.比較的辛口だが刺激は強くなく,甘みよりも旨味をしっかり感じる.
 が,が,しかし.
 冷やでは味が「寝ている」ような気がした.悪い意味ではないのだが平板というか,「奥にもっとありますよ」と言われたような.

 そこでぬる燗を付けてみる.
 すると予想どおり,味が「立った」.立体的になったというか.「ああ,これがこの酒の本来の味なのか」と思えるような安心感が出て来る.
 実直で真面目な旨味.安心できる落ち着いた味.
 幅広い料理に合いそうだし,酒だけで呑み続けても美味い.

 ふと,庭に降り積もる雪をこたつに丸くなって眺めながら焼き餅をつつきつつぬる燗に付けたこの酒を呑みたくなった(もちろん我が家ではそんな風流な真似は出来ません).

 酒屋の店主によれば,この酒は新酒品評会の燗酒部門で金賞を取ったとのこと.
 確かにね.

 酒米「亀の尾」はWikipediaによると明治時代の山形県生まれの食用米(!).そのまま酒造好適米としても用いられ,さらに品種改良で五百万石が子品種として生まれたとか.
 親子の米を配合して作られた酒という点でも面白い酒です.

2010/02/04

田友・純米吟醸 ★★★



ラベル: 田友(でんゆう)・純米吟醸
マイ評価: ★★★
  • 蔵元: 高の井酒造(新潟県小千谷市)
  • 屋号: 
  • 製造: 21BY
  • 酒米: 越端麗100%(新潟県農業総合研究所作物研究センター,新潟県醸造試験場,新潟県酒造組合による共同開発)
  • 精米歩合: 55%
  • 酵母: 新潟酵母G9
  • アルコール添加: なし
  • 日本酒度: +2
  • アルコール度数: 15-16度
  • 美味しかった呑み方: 冷や,熱燗,燗冷まし
  • 火入れ: あり
 これはただ美味いだけじゃない,「本物の地酒」という点で他を圧倒する.

 以下,小千谷の酒屋店主の話の受け売り.

 何よりもこの米は「越端麗(こしたんれい)」と言って,新潟県が15年の歳月をかけてようやく数年前に商用栽培に成功した念願の酒造好適米とのこと.
 いまや酒米と言えばどこを向いても山田錦(元は兵庫県生まれ)のような印象があるが,山田錦が支持されるのは強い吟醸香のため.新酒品評会では他の米は吟醸香華やかな山田錦にどうしても勝てないらしい.YK35なんて揶揄する言葉すらあるそうですな.
 その山田錦に新酒品評会でも何とか勝てる米を新潟の誇りにかけて生み出したいと関係者が苦心して開発したのが,この「越端麗」だそう.

 そして酵母にも新潟県が開発した「新潟酵母G9」を使用.

 よって,米の開発地,米の産地,酵母の産地,もちろん仕込み水,のどれをとっても「新潟」という正真正銘の本物の地酒が,この「田友・純米吟醸」.


 その味はと言えば,冷やで口に含むとジワリと柔らかい甘みと香りが染み通る.55%精米・アル添なしのためか吟醸香は強いとは言えないが,口に含んでいるうちにバニラとフルーツを混ぜ合わせたような甘い香りがスラスラスラっと広がる.低い声で「うまいっ」と唸らせる逸品.純米ならではの強い舌触りはもちろん健在.
 次に燗を付けてみる.ぬる燗にするつもりがうっかり熱燗になってしまったが,冷やとは全く違う酒になるので驚く.熱燗でも舌や鼻をつくようなきつさは皆無で,一方甘い香りは冷やと違って舌に乗った瞬間に一気に膨らむ感じ.香りが舌の上でブワッと球のように大きくなるというか.やられた.
 そして何より燗冷ましが美味い.冷やでの酒の強さが消え,熱燗での香りのふくらみもなりをひそめ,柔らかい甘みと香りだけが実に優しく舌を撫でる.討ち死に.

 美味いです.

 酒屋の主人によると,越端麗は商用栽培には成功したものの品質を安定・向上させるのにまだ数年はかかりそうとのことで,越端麗の酒は来年以降も成長が期待できるらしい.

 いや参った.

2010/02/03

美の川・越の雄町・大吟醸 ★★★

ラベル: 美の川・越の雄町・大吟醸
マイ評価: ★★★
  • 蔵元: 美の川酒造(新潟県長岡市)
  • 屋号: 美の川
  • 製造: 21BY
  • 酒米: 岡山生まれ・新潟産「備前雄町」100%
  • 精米歩合: 40%
  • 酵母: 不明
  • アルコール添加: あり
  • 日本酒度: +4
  • アルコール度数: 16-17度
  • 美味しかった呑み方: 冷や,人肌燗
  • 火入れ: あり

 これは犯罪ですよ,この酒は.
 こんなタイプの酒は呑んだことがない.

 岡山県生まれながら非常に作付けが僅少で幻と呼ばれた「備前雄町」を,新潟の酒蔵・美の川酒造の7代目社長が苦心惨憺の末岡山から入手して新潟で栽培に成功,それを大吟に仕立てた酒とのこと.
 化粧箱にはその苦労話(日本経済新聞掲載)と社長直筆の手紙が入っている.

 苦労話もさることながら,この味には面食らう.
 おそろしく柔らかくて舌で溶けるような,でも酒としての強さもきちんとある.
 鼻で嗅いでも口に含んでも広がるバニラ香(嫁には否定されたが自分ははっきり感じる).
 アル添はいかにも「ハイ,ちょっと醸造アルコール混ぜてみました」という味がありありとするので好かないが,この酒に関しては「この味を作るためにアル添がある」と思わせるだけの凄みがある.

 京都あたりの本当に美味しい小料理屋(おばんざいの店?)で丁寧にダシを取ってごく薄味に仕上げた飛竜頭をつつきながら呑んでみたい.

 冷やすときっとダメなはず(保管はもちろん冷蔵庫で).
 冷やで文句なしに美味いが,人肌燗につけると舌に乗せた瞬間に酒の鋭さが消えてふくよかなバニラ香だけがブワッと広がるのもたまらなく良い.

 新潟の酒には完敗.

信濃鶴・しぼりたて純米生酒 ★★☆

ラベル: 信濃鶴・しぼりたて純米生酒
マイ評価: ★★☆
  • 蔵元: 長生社,長野県駒ヶ根市(伊那谷)
  • 屋号: 信濃鶴
  • 製造: 21BY
  • 酒米: 伊那谷産の美山錦100%
  • 精米歩合: 60%
  • 酵母: 不明
  • 日本酒度: +4
  • アルコール度数: 16-17度
  • 美味しかった呑み方: 冷や,冷蔵
  • 火入れなしの無濾過生原酒.

生原酒らしい荒々しい微発泡感は当然として,そのすぐ後から華やかな芳香が立ち上がる.

純米の鋭さもきちんと活きている.

生原酒はどれもガツン系の料理に合うと思うのだが,これは夜中に濃い味の夜食をこっそりつまみながら呑むといいかもしれない.カップ焼きそばなんか合っちゃったりして(杜氏に怒られるかな).