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2010/05/26

Spring Bank ★★★

ラベル: SpringBank 10年
マイ評価: ★★★

  • 蒸留所: スプリングバンク
  • 地区: キャンベルタウン
  • 原料: シングルモルト
  • 熟成: 10年
  • アルコール度数: 46%
また行きつけのバーにお邪魔した.



5月30日はこのバーの創業者にしてマスターバーテンダーの一周忌である.
当日に訪れるのは古くからの常連さんに申し訳ないと思い,数日前倒してお邪魔した.
雷雨の夜で殆ど客もなく,静かにマスターを偲んできた.

マスターのオリジナルカクテルに「枯れ葉」というカクテルがある.
レシピは…書かないのが礼儀であろう.
人生の襞を積み重ねたマスターの人柄が滲み出たような最高のカクテルである.
現在のチーフバーテンダーに丁寧にシェイクしてもらった.

享年68歳のマスターであった.短いお付き合いながらも,社会人として,男としての静かな矜持を繰り返し語って下さった.語りを通じて,小生意気なこの若造を可愛がって下さったように勝手に思っている.

マスターに「枯れ葉」を献杯.


さて今夜のスコッチは,まだ呑んだことのない地区のものを呑んでみたくなった.
ハイランド,スペイサイド,アイラ,アイランズは1-3銘柄ずつは呑んだつもり.
残るはキャンベルタウンとローランド.

特に根拠もなくキャンベルタウンを所望する.

今夜キャンベルタウンで在庫があったのはたまたまSpringBankだけとのこと.

ストレートでワンフィンガー.


いやー,これが期待を遥かに超えて美味い!!

きつすぎず弱すぎないピート臭をベースに,深い深いまろやかさと優しさ.
しかし優しいだけではない,重厚濃厚な組み立てと,全体の絶妙なバランスの良さ.
46%とやや強めのアルコールだが,きつさを微塵も感じさせない.

自分が呑んだきた日本酒に喩えるなら,初緑・特別純米・ひやおろし」のような絶妙な美味さ

ボトルキープしたくなる.

聞けば,伝統的な製法を頑なに守っている蒸留所とのこと.
未だにフロア・モルティングを丁寧に行っていると.
生酛造りの高い技術を伝承し続けている蔵元のような感じか.

この一杯もマスターに献杯.



閑話.

このバーには名物シェフがいる.
バーなのに(と言っては失礼だが)料理が滅茶苦茶美味い
コース料理(完全予約)を頼むと目を丸くするような美味くて斬新な皿が次々に出て来る.
単品料理もまた格別で,特に焼きそばが絶品中の絶品.ここ以上に美味い焼きそばをついぞ食べたことがない.

そのシェフと四方山話をしていると,なんと筋金入りのであることが判明.
乗るたびに報告に上がらなければ.

2010/05/09

知多蒸留所特製グレーン ★☆☆

ラベル: 知多蒸留所特製グレーン
マイ評価: ★☆☆

  • 蒸留所: サントリー
  • 地区: 知多
  • 原料: グレーン(トウモロコシ)
  • 熟成: 12年
  • アルコール度数: 忘れた
先のBLACK BUSHはモルトとグレーンのブレンディッドでモルトの穀物香が美味かったが,「じゃあグレーンは味がしないの?」とバーテンに尋ねてみた.

バーテン曰く,「基本的に味は目立たないですね.モルトウイスキーの味の調節のために加えられるのがグレーンですから」.
なるほど.
日本酒に添加する醸造アルコールのような役割か.

と話ながら,

「だからグレーンウイスキーというのは単独で商品化されないんですが,非売品でこういうのもありますよ.オマケにしとくんで一口どうぞ」

と勧めてくれたのがこれ.

サントリーと言えば山崎【京都府大山崎町】と白州【山梨県白州町(現・北杜市)】の蒸留所で知られているが,この2つはモルトの蒸留所.
グレーンウイスキーの蒸留所はこれらとは別に,知多【愛知県知多市】にあるのだという.
16へぇぐらいである.

あくまでモルトウイスキーに混ぜるために造っているグレーンウイスキーなので,それ単独では商品化しないが,取引先の酒屋などへのノベルティとしてボトリングして配布したのがこのボトルらしい.

さっそくストレートで味わってみる.

モルトに比べて,
香りが違うと言えば違うし,
コクが無いと言えば無い.

まあ何というか,確かにこれでは商品化しても売れなさそう.

ただ,これでも12年寝かせたものだそうで,期待していなかった分,それなりに美味かったとも言える.

話のネタにはなる.

Black Bush ★★☆

ラベル: BLACK BUSH
マイ評価: ★★☆

  • 蒸留所: オールド・ブッシュミルズ
  • 地区: アイルランド
  • 原料: モルト+グレーン
  • 熟成: 忘れた
  • アルコール度数: 40%
行きつけのバーで「一度アイリッシュを呑んでみたい」と所望した.
アイリッシュはスコッチに比べると蒸留所が数えるほどしかないらしい.
その中の代表的な1つを勧めてもらった.

聞けば,アイリッシュはピートを使わないそうである.もっぱら木炭.
なので呑みやすい味に仕上がる.
そしてこのBLACK BUSHはグレーンウイスキーも加えたブレンディッド.

実際の味も,分かりやすくて呑みやすい.
軽やかで甘い口当たり.
最後に穀物様の香りが鼻に抜けていく.
バーテンに尋ねるとモルトの香りらしい.
自分はスコッチのピート臭に慣れてしまっていたのでモルトの香りに今まで気付かないでいたようだが,モルトとは穀物の香りがしっかりするものなのか.

安心できるウイスキーであった.
あまり深く考えずに気楽にウイスキーを呑みたいときにちょうどよいか.

とりあえずアイリッシュを初体験しましたと言うことで.

Bowmore 16 wine cask matured ★★★

ラベル: Bowmore 16 years Wine cask matured
マイ評価: ★★★

  • 蒸留所: Bowmore
  • 地区: アイラ島
  • 原料: シングルモルト
  • 熟成: 16年(6年バーボン樽→10年ボルドーワイン樽)
  • アルコール度数: 53.5%

昨年来のお気に入りである.
行きつけのバーテンが昨年,「これ最近自分で気に入ってるんですよ」と勧めてくれたのが最初.

ボウモアの16年と最初に聞いて,珍しい熟成年数だと思ったら,「wine cask matured」である.
バーボン樽で最初に6年寝かせた後,ボルドーワインの樽に移し替えて10年.
グレンモーレンジなどで「○○ finished」というのを見かけるが,あれは最後の2年ぐらいのことらしい.
これはワイン樽での熟成が10年の長きに渡るためか,「finished」でなく「matured」.

カスク・ストレングスなので53.5%とかなり強め.
無防備に口に含んだ女性が吹いたのを見た.バーで酒を吹いてはいけません.

さてボウモアはアイラの中ではバランスのとれた味だと思うが,それでもピート臭ははっきりしている.
そのボウモアのピート臭が,このボトルではワイン香と混ざり合ったような雰囲気となり,口中で華やかに踊るようである.
ピートとワインが引き立て合って競演しているとでも言うか.
アルコールの強さが気にならないほどの華やかさである.

これは美味い.

なまなかな酒屋の店頭では見かけないし,一度だけ見かけたことがあったが随分高かった.
ネット通販でも売り切れ表示が多い.

でも一度は手元に買ってみたいスコッチである.

DOUBLE BARREL ★★☆

ラベル: DOUBLE BARREL
マイ評価: ★★☆

  • 蒸留所: Macallan+Laphroig(※製造元は忘れた)
  • 地区: スペイサイド+アイラ島
  • 原料: シングルモルトのバッティング
  • 熟成: 12年+8年
  • アルコール度数: 46%
実はウイスキー,特にスコッチのシングルモルトにも少しはまっている.
もっとも,1瓶が高いし,アルコールも強いので1瓶呑みきるのに時間がかかるので,日本酒ほどたくさんは呑めていない.
主にバーでチビチビ嗜む程度である.

その行きつけのバーに,何とも久しぶりに顔を出した.
約9ヶ月ぶりであった.
日曜の夜半,馴染みの客が1組残っているだけの頃合いに,無沙汰を詫びる気持ちでこっそり足を踏み入れた.
バーテンは驚いた顔をしながらも,以前と変わらず暖かく迎えてくれたのが嬉しかった.

9ヶ月分の四方山話をしながら,「何か変わったもの」と頼むと最初に出してくれたのがこれ.
これは初めて見た.

ダブル・バレルと言ってもショットガンのことではない.
Macallanの12年とLaphroigの8年,いずれもシングルカスク物を,1:1でバッティングしたという変わったスコッチである.

マッカランは王道(?)のスペイサイド,ラフロイグはアイラ島でもとりわけ個性的.っていうかラフロイグって昆布じゃん.
混ざったら一体どんな味になるのやらと早速ストレートで一口含んだ途端,
「実際呑んだら思いっきりラフロイグなんですけどね」
と飄々とバーテン.

このバーは実に行き届いた接客で,チーフバーテンの洋酒とカクテルの博学ぶりは半端でない.
酒を五感と理性と情感の全てで楽しませてくれる,岐阜が日本に誇る最高のバーである.
料理もとびぬけて美味い.
大変な苦労を重ねながらも店を支え続けるこのチーフバーテンダーに,自分より年下ながらも常に敬意を抱いている.

今や店の顔となったチーフバーテンだが,飄々とした表情で鋭くハズしてくることがしばしばある.
抑えの効いた笑いの取り方が自分は好きである.

絶妙なタイミングで出されたコメントに,確かに納得する.
思いっきりラフロイグだ.昆布だ.どこがバッテッドウイスキーなんだ,と最初は思う.
しかし,ラフロイグの強いピート臭が去った後,マッカランの深みのある甘さがいつまでも後味に残る

なるほど面白いスコッチである.

毎回呑みたいとは思わないが,たまにはこういうのも良いかなと.

それにしても9ヶ月ぶりのスコッチがこれってどうよ.