ラベル: 久保田・生原酒
マイ評価: ★★★(さらに数ヶ月後・数年後に期待)
- 蔵元: 朝日酒造(新潟県長岡市)
- 屋号: 久保田
- 製造: 21BY
- 酒米: 地元産の五百万石100%
- 精米歩合: 55%
- 酵母: 不明
- アルコール添加: あり
- 日本酒度: 不明
- アルコール度数: 18-19度
- 美味しかった呑み方: 冷や
- 火入れ: もちろんなし
それから数時間後に隣町の酒屋へ.
すると酒屋の店主が「まだ1時間前に入荷したばかりだよ」と見せてくれたのがこの酒.
つまり,自分が蔵元見学でテイスティングし損なったその酒に,瓶詰めされた状態で酒屋でついに出会ったという次第.
これはご縁でしょうということでもちろん買い.
あとで調べて分かったが,久保田ラベルの誕生(復活?)20周年を記念して初めて市場に出された貴重なものだそう.偶然にも出荷のその日に蔵元を見せていただき,店に入荷したホヤホヤ商品を買い求める機会に恵まれたというわけ.
これは何かのご縁ですな. これからも久保田をご贔屓にさせてもらいましょう.
さて入手してすぐに開栓,賞味.
生原酒なので微発泡感はもちろん舌に突き刺さるが,それほど強い印象でもない.
味は他の酒蔵の生原酒に比べると大人しい方かもしれない.甘みもそこそこ,香りもそこそこ.
開栓して数日間は「まあ生原酒だから美味しいけどこんなものかな」という感想だった.
ところで数日してからようやくアル添だったと気付く(ラベルには生原酒としか書いてなくて本醸造とは書いてない;裏をよく見ればアル添はちゃんと記載されていた).大人しい感じはそのせいもあったのかな.
ところがところが.
数日おきにちびりちびり飲んでいたが,3週間目ぐらいにふと気付く.
味が変化している!!
開栓直後に比べて,明らかに味がまろやかになり,味わいが増している.飲み終えた後の口中に残る余韻が良い.
なるほど生原酒だから日を追って変化していくのだろうが,それにしても3週間目で変化が分かる酒は初めて出会った(もっとも生原酒自体10種類ぐらいしか呑んだことないのだが).
以前「世界一旨い日本酒 熟成と燗で飲る本物の酒 (光文社新書)」という本(Amazonはこちら)を読んだが,これによると,
本当に美味い酒とは,常温熟成(要は室温で放置)させても味が崩れないで熟成されていく酒であり,しかもそれを燗で呑むのがよいとのこと.
通常は高級酒ほど「冷蔵保存,開栓後はお早めに」が常識になっているが,この本によれば,
冷蔵で開栓直後に呑めば美味いが時間が経つと不味くなる酒というのは,造りがしっかりしていないダメな酒と一刀両断.賛否両論あるだろうが痛快ではある.
で,本書の筆者は,これはと思う酒は純米大吟醸だろうが生原酒だろうが室温で数ヶ月でも数年でも放置して熟成させて燗付けて呑むらしい.
ちょっと真似してみたいなー,と思っていたが,この「久保田・生原酒」ならその放置プレイに堪えられる「造りの良い酒」なのではないかと十分期待させるものがある.
貴重品だからもう手に入らないかもしれないけど,もし手に入るならもう3本ほど手に入れて,数ヶ月放置バージョンと数年放置バージョンを自分で試してみたいところ.
そういえば京都の日本酒バー「よらむ」さんで呑ませてもらった酒に,「ある蔵元の生原酒をこの店で丸3年室温放置したもの;冬の冷気も夏の熱気もそのままにさらしてあります」という貴重品があったが,未だかつて呑んだことない味だった.あの時はいい加減酔っぱらっていたので味の細かいところを覚えていないのだが,「生原酒で3年放置されて尚このしっかりした味なのか」と驚いたことだけは記憶に鮮明.
上記の著者の言う通りかもしれない.
「久保田・生原酒」,手元に残っている分だけでももっと長期間熟成(放置)させてみたいが,その前に全部呑んでしまわないか心配.
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