2010/02/27

初緑・特別純米・ひやおろし ★★★+★!

 

ラベル: 初緑・特別純米・ひやおろし
マイ評価: ★★★+★!
  • 蔵元: 高木酒造(岐阜県下呂市金山町)
  • 屋号: 
  • 製造: 21BY
  • 酒米: 岐阜県産ひだほまれ100%【ひだほまれは唯一の岐阜県生まれの酒米】
  • 精米歩合: 55%
  • 酵母: 不明
  • アルコール添加: なし
  • 日本酒度: +2
  • アルコール度数: 15度
  • 美味しかった呑み方: 冷や
  • 火入れ: ひやおろし,いわゆる「後生」
ああああああ~~~~~何ということか,よくぞ作ってくださいました!!!
高木酒造・南部杜氏・畠山勝美様,これはもう絶品ですよ!!!

たまたま知人に岐阜の地酒を進呈しようと,いきつけの酒屋「中島屋」さんで「ひだほまれ100%の地酒ください」と気軽にお願いした.そこで勧められたのがこれ.
自分も呑んだこと無かったので,自家用にも1本買い求めた.ただそれだけのきっかけ.
中島屋さんによると,「初緑」のラベルは今回誕生したらしく,自分が呑んだこと無いのは当然.
同じ初緑・特別純米の「ひやおろし」と「火入れ」があったので,何となくでひやおろしを選んだ.

自分が呑む前に知人に進呈し(いい加減な贈り物で済みません),帰宅後に自分でも開けてみた.
疲れて帰ってきたので一口だけ飲んでパッパと寝ようと.

が.

が.

が!!!

美味い!!旨い!!うまい!!!

 何というのかこう,ふわっと流れるようなと言うか,優しいというか,うむ,これはまともに言語化できない.
言語化できないから,画像化してみた.


(Powered by Inkscape 0.46)
こんな絵まで描くなんて,アホです.
この画像を嫁に見せたらハナで嗤って,やおら一口呑んでしばらく考えて一言.
「うん.これ,天女の羽衣だよ」
(特別出演・古田へう○もの守殿)

ヨメあんた,上手いこと言うねえ.
この柔らかい感じはひやおろしならではのところもあるのかと想像する(火入れも飲み比べてみないと分からないが).
でも決して,ウケや流行りを狙ったような浮ついた羽衣ではない.あくまでも実直で真面目でしかも良い意味での「こぢんまり」感がしっかり伝わる良品である.
何口か呑むと,旨味に裏付けられた甘みが口中に残るようになる.でも全くしつこくない.むしろ止まらない.一口で終えるつもりだったのが,やめられないとまらない「かっ○えびせん」状態に.

岐阜の地酒は全体としてはたぶん日本一を争えるようなレベルではないのかもしれないが(蔵元さん達ごめんなさい),だからこそ,地産のものでじっくりしっかり良い酒を造ろうとする静かな心意気が伝わるようで,とても嬉しい.
だから,味だけでも自分としては★★★だが,さらにそこに岐阜県民としての応援を込めて「+★」.

これきっと,鮎に合う.鮎の塩焼き,鮎魚田,鮎雑炊.岐阜の酒に,岐阜を代表する魚・鮎.
今は2月だから鮎は手に入らないけど,夏に鮎に合わせて是非呑んでみたい(でもその頃はひやおろしとして存在していないかも).

2010/02/13

久保田・生原酒(特別本醸造) ★★★

 

ラベル: 久保田・生原酒
マイ評価: ★★★(さらに数ヶ月後・数年後に期待)
  • 蔵元: 朝日酒造(新潟県長岡市)
  • 屋号: 久保田
  • 製造: 21BY
  • 酒米: 地元産の五百万石100%
  • 精米歩合: 55%
  • 酵母: 不明
  • アルコール添加: あり
  • 日本酒度: 不明
  • アルコール度数: 18-19度
  • 美味しかった呑み方: 冷や
  • 火入れ: もちろんなし
実はたまたま蔵元を見学する機会があって,一通り工程を拝見し,最後に絞り槽のところまで来たところで絞ったばかりの生原酒のテイスティングのチャンス…と思ったら,「あー,もう出荷しちゃってないですね」….残念無念.

それから数時間後に隣町の酒屋へ.
すると酒屋の店主が「まだ1時間前に入荷したばかりだよ」と見せてくれたのがこの酒.
つまり,自分が蔵元見学でテイスティングし損なったその酒に,瓶詰めされた状態で酒屋でついに出会ったという次第.
これはご縁でしょうということでもちろん買い.

あとで調べて分かったが,久保田ラベルの誕生(復活?)20周年を記念して初めて市場に出された貴重なものだそう.偶然にも出荷のその日に蔵元を見せていただき,店に入荷したホヤホヤ商品を買い求める機会に恵まれたというわけ.
これは何かのご縁ですな. これからも久保田をご贔屓にさせてもらいましょう.

さて入手してすぐに開栓,賞味.
生原酒なので微発泡感はもちろん舌に突き刺さるが,それほど強い印象でもない.
味は他の酒蔵の生原酒に比べると大人しい方かもしれない.甘みもそこそこ,香りもそこそこ.
開栓して数日間は「まあ生原酒だから美味しいけどこんなものかな」という感想だった.
ところで数日してからようやくアル添だったと気付く(ラベルには生原酒としか書いてなくて本醸造とは書いてない;裏をよく見ればアル添はちゃんと記載されていた).大人しい感じはそのせいもあったのかな.

ところがところが.
数日おきにちびりちびり飲んでいたが,3週間目ぐらいにふと気付く.
味が変化している!!
開栓直後に比べて,明らかに味がまろやかになり,味わいが増している.飲み終えた後の口中に残る余韻が良い.
なるほど生原酒だから日を追って変化していくのだろうが,それにしても3週間目で変化が分かる酒は初めて出会った(もっとも生原酒自体10種類ぐらいしか呑んだことないのだが).

以前「世界一旨い日本酒 熟成と燗で飲る本物の酒 (光文社新書)」という本(Amazonはこちら)を読んだが,これによると,
本当に美味い酒とは,常温熟成(要は室温で放置)させても味が崩れないで熟成されていく酒であり,しかもそれを燗で呑むのがよい
とのこと.
通常は高級酒ほど「冷蔵保存,開栓後はお早めに」が常識になっているが,この本によれば,
冷蔵で開栓直後に呑めば美味いが時間が経つと不味くなる酒というのは,造りがしっかりしていないダメな酒
 と一刀両断.賛否両論あるだろうが痛快ではある.

で,本書の筆者は,これはと思う酒は純米大吟醸だろうが生原酒だろうが室温で数ヶ月でも数年でも放置して熟成させて燗付けて呑むらしい.

ちょっと真似してみたいなー,と思っていたが,この「久保田・生原酒」ならその放置プレイに堪えられる「造りの良い酒」なのではないかと十分期待させるものがある.

貴重品だからもう手に入らないかもしれないけど,もし手に入るならもう3本ほど手に入れて,数ヶ月放置バージョンと数年放置バージョンを自分で試してみたいところ.

そういえば京都の日本酒バー「よらむ」さんで呑ませてもらった酒に,「ある蔵元の生原酒をこの店で丸3年室温放置したもの;冬の冷気も夏の熱気もそのままにさらしてあります」という貴重品があったが,未だかつて呑んだことない味だった.あの時はいい加減酔っぱらっていたので味の細かいところを覚えていないのだが,「生原酒で3年放置されて尚このしっかりした味なのか」と驚いたことだけは記憶に鮮明.

上記の著者の言う通りかもしれない.

「久保田・生原酒」,手元に残っている分だけでももっと長期間熟成(放置)させてみたいが,その前に全部呑んでしまわないか心配.

洗心・純米大吟醸 ★★☆

 

ラベル: 洗心・純米大吟醸
マイ評価: ★★☆
  • 蔵元: 朝日酒造(新潟県長岡市)
  • 屋号: 久保田
  • 製造: 21BY
  • 酒米: たかね錦・減肥栽培(たぶん100%)
  • 精米歩合: 28%(!)
  • 酵母: 不明
  • アルコール添加: なし
  • 日本酒度: +2
  • アルコール度数: 15度
  • 美味しかった呑み方: 冷や
  • 火入れ: あり
「久保田・百寿」「久保田・千寿」は全国どこの居酒屋でも見かける有名ブランド.
その久保田の蔵元(朝日酒造)が誇る最高級品がこの「洗心」だそう.4号瓶で約5,000円なり.

が…すいません,お上品すぎて野卑な私には魅力が100%分かりかねまする.

大吟醸だけど香りはかなり控え目.薄いとか足りないとかの控え目ではなく,あくまでも研ぎ澄まされた無駄のない静謐な感じ.
だからとても呑みやすい.日本酒嫌いな人でもスイスイ呑んでしまうだろう.八海山・純米吟醸に似たところがある.
でも,でも,もっと自己主張の強い酒が今どきの好みの私にとっては,お上品すぎる.5,000円の大枚はたいた実感が今ひとつ湧き上がらない.

もっと歳を重ねてもっと色んな酒を呑まないとこの酒の本当の魅力は分からないかもしれないなあ.
自分の未熟さに乾杯.

GmailをGmailでバックアップする

長年使ってきたメールアドレス(プロバイダ仕様)をうっかりスパマーに漏らしてしまった…_| ̄|○

仕方ないのですぐに放棄してGmailをメインに切り換えることにした.

その際知った,「Gmailの全メールを別のGmailアカウントでバックアップする」という裏技.

今後メインで使うGmailが何らかの理由でまた放棄しなければ行けなくなったときに備えて,メールそのものを別アカウントにリアルタイム・バックアップ(ミラーリング)しておこうと考えた.


前提
  • バックアップ元(既存)のGmail,hoge@gmail.comは,最初のGoogleアカウント取得時に他のプロバイダのメールアドレスhogehoge111@provider.jpを登録してある

 用意する材料
  • hogehoge111@provider.jpとは別のプロバイダ系アドレスを用意する.
    hogehoge222@provider.jp
  •  hoge@gmail.comのログインに使っているブラウザとは別のブラウザを用意する
    hoge@gmail.comがFirefoxなら,Internet Explorerとか.

    ※同じブラウザだと新しいログインの後でリダイレクトループに陥ってしまうので注意

手順

  1. 新しいGoogleアカウントを作成する

    バックアップ元のGmail(hoge@gmail.com)で使用しているのとは別のブラウザでGoogleトップページを開く.
    (もしcookieのせいで既にログイン状態になっていたら,画面右上の「ログアウト」でいったんログアウトする.)
    Googleのトップページ右上の「ログイン」をクリック,右上のちょっと下の,
      Google アカウントをお持ちでない場合  
                   アカウントを作成                   
    から入る.
    登録用アドレスには,別のプロバイダ系アドレスhogehoge222@provider.jpを入力する.

  2. 新しく作成したGoogleアカウントで新しいバックアップ先Gmailアカウントを作成する

    Googleに新しいアカウントでログインされるが,この時点では新しいGoogleアカウントはhogehoge222@provider.jpの名前のままになっている.

    トップページ下の「何か新しいことを始めましょう」からGmailを選んで,新しいバックアップ先Gmailアカウントhoge.backup@gmail.comを作成する.

  3. いったんバックアップ元のGmailアカウントhoge@gmail.comに戻りPOPアクセスを有効にする

    hoge@gmail.comの「設定」→「メール転送とPOP/IMAP」→「POPダウンロード」の項目.

    1.ステータス」の欄で「すべてのメールでPOPを有効にする」のラジオボタンをチェック.

    2.POPでメールにアクセスする場合」で「Gmailのコピーを受信トレイに残す」を選択.

    これで一番下の「変更を保存」をクリック.

  4. 再び新しいバックアップ先Gmailアカウントhoge.backup@gmail.comに戻りバックアップの体制を作る

    hoge.backup@gmail.comの「設定」→「アカウントとインポート」→「POP3を使用したメッセージの確認」の項目.

    POP3のメールアカウントを追加」をクリック.

    別のウインドウが開くので,「メールアドレス」欄に,バックアップ元Gmailアドレスhoge@gmail.comを入力.

    次の画面で,hoge@gmail.comのパスワードを入力し,

    POPサーバー」→GmailのPOPサーバー「smtp.gmail.com」になっていることを確認,

    ポート」→「995」になっていることを確認,

    受信したメッセージのコピーをサーバーに残す」はチェック外す,←ここがミソこちらも参照.

    セキュリティで保護された接続(SSL)を使ってメールを取得する」をチェックする,

    受信したメッセージにラベルを付ける:」は,お好みだが,つけない方が後々便利だと思う,

    受信したメッセージを受信トレイに保存せずにアーカイブする」も,お好みで,どうぞご自由に.

    これで一番下の「アカウントを追加」をクリック.

    次の画面で,hoge.backup@gmail.comからhoge@gmail.com経由で送信できるようにするかどうかを尋ねられるので,「いいえ」をチェックして終了.

これでhoge.backup@gmail.comのGmail画面を確認すると,hoge@gmail.comのメールが続々とバックアップされていくのが分かる.
バックアップ終了後もhoge@gmail.comのメールはリアルタイムでhoge.backup@gmail.comにミラーリングされていくので便利.
hoge@gmail.comに2万通ぐらいある場合,hoge.backup@gmail.comへのバックアップには大体24時間ぐらいかかった.

2010/02/10

Windows Mobile 6.1 (HT-01A)でデフォルトブラウザを変更

レジストリの,
  • HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\Shell\Rai\:DEFBROWSER
  • HKEY_CLASSES_ROOT\http\Shell\Open\Command
  • HKEY_CLASSES_ROOT\https\Shell\Open\Command

 のそれぞれの値を変更する.パス全体を""で括る方が無難(後2者の末尾の「%1」は""の外に出すこと).

レジストリの編集はTREで行う.

Gmail オフライン

Google GearsをインストールしてGmailをオフラインで試してみる.
…が,実際に回線を遮断してGmailを表示させようとしても,いつものDNSサーバ見つかりませんエラーしか出てこない.
環境は,Firefox 3.5.7 + Windows XP Professinal SP3.

おかしいなと思って試しにアドオンのNo Scriptを無効化してみる.
すると今度は回線遮断状態でもちゃんとFirefoxでGmail画面が出てきた.

No Scriptはあれば安心だが,そのおかげで助かったという実感も今までなかった.
この際無効化したままにしておく.

2010/02/06

MediaWikiで地獄のリダイレクトループ→ver 1.6.12のLocalSettings.phpはPHP5と一部互換性がない?

備忘録として.

MediaWikiでちょっとした情報ページを自作しているが,ある時サーバ(ロリポップ)がMySQLとPHPのバージョンを上げたので(どちらも4→5),自作ページもアップデートした.

すると,その直後でもないのだが,数時間後から突如として全てのページが表示されなくなった.
Firefoxだと,
ページの自動転送設定が正しくありません.このアドレスへのリクエストに対するサーバの自動転送設定がループしています.

という非情なメッセージが現れる.
じょーだんじゃない.

慌ててindex.php,localsettings.php,redirect.phpなどを見てみるが,どこにバグがあるのか分からない(PHPコードを書けないんだから分からなくて当たり前).

MediaWikiをバージョンアップさせると良いだろうかと考えてみたり,でもレンタルサーバだからデータの完全なバックアップも難しく迂闊なことは出来なさそうだし,と丸1日他の情報を検索.
しかし完全に手詰まり.

仕方がないから出来るだけのバックアップをとった後に,腹を括ってMediaWikiの同じバージョンを上書きインストールしてみた.インストールのダイアログには以前と同じ全く同じ内容を書き込んだ.
するとインストールが完了した瞬間に「以前のMediaWiki用データベースを発見」とメッセージが出て…….

無事に復旧完了!
地獄のリダイレクトループも消滅!

あー良かった,と一件落着.

ところがすぐにURLがおかしいことに気付く.
異常が起きる前のURLは,Wikipediaと同じく,
http://hogehoge.com/hoge/index.php/メインページ
だったのが,復旧後は,
http://hogehoge.com/hoge/index.php?title=メインページ
になっている.いわゆるugly URLというやつだ.

別に閲覧動作に問題はないので支障はないのだが,何となく格好悪い.

そこでMediaWikiのページを参考にしてこの方法を試してみた.
  1. 言われるがままの.htaccessファイルを作成してMediaWikiのディレクトリに置く
  2. LocalSettings.phpの当該部分を指示通りに書き換える(デフォルトでコメントアウトされている箇所を正規にし,逆に正規部分をコメントアウト)
すると……,
地獄のリダイレクトループ再現!!
何じゃそりゃああああああああああ!!!!!!!

面食らいましたね.
そこでもう一度このページの「In LocalSettings.php」の書き換え方をよーーく読み返す.

## If using PHP as a CGI module, use the ugly URLs

$wgArticlePath = "$wgScriptPath/$1";
ふむふむ,で俺のLocalSetting.phpは?
## If using PHP as a CGI module, the ?title= style usually must be used.
$wgArticlePath = "$wgScript/$1";  ←コメントアウト解除
# $wgArticlePath = "$wgScript?title=$1";  ←こちらをコメントアウト
ふむふむ,間違ってないじゃないか……え???

## If using PHP as a CGI module, the ?title= style usually must be used.
$wgArticlePath = "$wgScript/$1";  ←コメントアウト解除
# $wgArticlePath = "$wgScript?title=$1";  ←こちらをコメントアウト
あれ?で,正しくはどうあるべき?

## If using PHP as a CGI module, use the ugly URLs

$wgArticlePath = "$wgScriptPath/$1";
 あれーーーーー?????「$wgScript」と「$wgScriptPath」じゃ違うぞ?????
そこで自分のLocalSettings.phpをさらに修正してみた.

## If using PHP as a CGI module, the ?title= style usually must be used.
$wgArticlePath = "$wgScriptPath/$1";  ←さらに修正
# $wgArticlePath = "$wgScript?title=$1";
すると…….
地獄のリダイレクトループは消滅し,ugly URLが美しいshort URLに!!
ついでに言うと,short URLは復旧前よりも更に短くなってくれていた.ありがたや.
復旧前: http://hogehoge.com/hoge/index.php/メインページ
復旧後: http://hogehoge.com/hoge/メインページ
PHPコードをまともに理解しないまま適当にやっただけの結果だが,推測するに,
MediaWiki 1.6.12が生成するLocalSettings.phpはshort URLに関してPHP5と互換性がないんじゃないか?
という怪しい結論になった.

ということは最初のリダイレクトループも再インストールなんかしないで「$wgScript」を「$wgScriptPath」に書き換えるだけで解決していたのかも知れない.

ともあれ結果オーライ (← きちんとPHP勉強しろよ).

2010/02/05

越の寒中梅・亀の尾・純米吟醸 ★★☆

ラベル: 越の寒中梅・亀の尾・純米吟醸
マイ評価: ★★☆
  • 蔵元: 新潟銘醸(新潟県小千谷市)
  • 屋号: 
  • 製造: 21BY
  • 酒米: 亀の尾
  • 精米歩合: 55%
  • 酵母: 不明
  • アルコール添加: なし
  • 日本酒度: +2~+4
  • アルコール度数: 15度
  • 美味しかった呑み方: ぬる燗
  • 火入れ: あり
 「実直な酒」,そんな感じを受ける.

 最初に冷やで口にしたとき,まず「あ,これは燗付けて呑みたいな」と感じた.
 香り高い酒をよく見かけるせいか,相対的に古風(?)というか実直な印象の味.比較的辛口だが刺激は強くなく,甘みよりも旨味をしっかり感じる.
 が,が,しかし.
 冷やでは味が「寝ている」ような気がした.悪い意味ではないのだが平板というか,「奥にもっとありますよ」と言われたような.

 そこでぬる燗を付けてみる.
 すると予想どおり,味が「立った」.立体的になったというか.「ああ,これがこの酒の本来の味なのか」と思えるような安心感が出て来る.
 実直で真面目な旨味.安心できる落ち着いた味.
 幅広い料理に合いそうだし,酒だけで呑み続けても美味い.

 ふと,庭に降り積もる雪をこたつに丸くなって眺めながら焼き餅をつつきつつぬる燗に付けたこの酒を呑みたくなった(もちろん我が家ではそんな風流な真似は出来ません).

 酒屋の店主によれば,この酒は新酒品評会の燗酒部門で金賞を取ったとのこと.
 確かにね.

 酒米「亀の尾」はWikipediaによると明治時代の山形県生まれの食用米(!).そのまま酒造好適米としても用いられ,さらに品種改良で五百万石が子品種として生まれたとか.
 親子の米を配合して作られた酒という点でも面白い酒です.

2010/02/04

田友・純米吟醸 ★★★



ラベル: 田友(でんゆう)・純米吟醸
マイ評価: ★★★
  • 蔵元: 高の井酒造(新潟県小千谷市)
  • 屋号: 
  • 製造: 21BY
  • 酒米: 越端麗100%(新潟県農業総合研究所作物研究センター,新潟県醸造試験場,新潟県酒造組合による共同開発)
  • 精米歩合: 55%
  • 酵母: 新潟酵母G9
  • アルコール添加: なし
  • 日本酒度: +2
  • アルコール度数: 15-16度
  • 美味しかった呑み方: 冷や,熱燗,燗冷まし
  • 火入れ: あり
 これはただ美味いだけじゃない,「本物の地酒」という点で他を圧倒する.

 以下,小千谷の酒屋店主の話の受け売り.

 何よりもこの米は「越端麗(こしたんれい)」と言って,新潟県が15年の歳月をかけてようやく数年前に商用栽培に成功した念願の酒造好適米とのこと.
 いまや酒米と言えばどこを向いても山田錦(元は兵庫県生まれ)のような印象があるが,山田錦が支持されるのは強い吟醸香のため.新酒品評会では他の米は吟醸香華やかな山田錦にどうしても勝てないらしい.YK35なんて揶揄する言葉すらあるそうですな.
 その山田錦に新酒品評会でも何とか勝てる米を新潟の誇りにかけて生み出したいと関係者が苦心して開発したのが,この「越端麗」だそう.

 そして酵母にも新潟県が開発した「新潟酵母G9」を使用.

 よって,米の開発地,米の産地,酵母の産地,もちろん仕込み水,のどれをとっても「新潟」という正真正銘の本物の地酒が,この「田友・純米吟醸」.


 その味はと言えば,冷やで口に含むとジワリと柔らかい甘みと香りが染み通る.55%精米・アル添なしのためか吟醸香は強いとは言えないが,口に含んでいるうちにバニラとフルーツを混ぜ合わせたような甘い香りがスラスラスラっと広がる.低い声で「うまいっ」と唸らせる逸品.純米ならではの強い舌触りはもちろん健在.
 次に燗を付けてみる.ぬる燗にするつもりがうっかり熱燗になってしまったが,冷やとは全く違う酒になるので驚く.熱燗でも舌や鼻をつくようなきつさは皆無で,一方甘い香りは冷やと違って舌に乗った瞬間に一気に膨らむ感じ.香りが舌の上でブワッと球のように大きくなるというか.やられた.
 そして何より燗冷ましが美味い.冷やでの酒の強さが消え,熱燗での香りのふくらみもなりをひそめ,柔らかい甘みと香りだけが実に優しく舌を撫でる.討ち死に.

 美味いです.

 酒屋の主人によると,越端麗は商用栽培には成功したものの品質を安定・向上させるのにまだ数年はかかりそうとのことで,越端麗の酒は来年以降も成長が期待できるらしい.

 いや参った.

2010/02/03

美の川・越の雄町・大吟醸 ★★★

ラベル: 美の川・越の雄町・大吟醸
マイ評価: ★★★
  • 蔵元: 美の川酒造(新潟県長岡市)
  • 屋号: 美の川
  • 製造: 21BY
  • 酒米: 岡山生まれ・新潟産「備前雄町」100%
  • 精米歩合: 40%
  • 酵母: 不明
  • アルコール添加: あり
  • 日本酒度: +4
  • アルコール度数: 16-17度
  • 美味しかった呑み方: 冷や,人肌燗
  • 火入れ: あり

 これは犯罪ですよ,この酒は.
 こんなタイプの酒は呑んだことがない.

 岡山県生まれながら非常に作付けが僅少で幻と呼ばれた「備前雄町」を,新潟の酒蔵・美の川酒造の7代目社長が苦心惨憺の末岡山から入手して新潟で栽培に成功,それを大吟に仕立てた酒とのこと.
 化粧箱にはその苦労話(日本経済新聞掲載)と社長直筆の手紙が入っている.

 苦労話もさることながら,この味には面食らう.
 おそろしく柔らかくて舌で溶けるような,でも酒としての強さもきちんとある.
 鼻で嗅いでも口に含んでも広がるバニラ香(嫁には否定されたが自分ははっきり感じる).
 アル添はいかにも「ハイ,ちょっと醸造アルコール混ぜてみました」という味がありありとするので好かないが,この酒に関しては「この味を作るためにアル添がある」と思わせるだけの凄みがある.

 京都あたりの本当に美味しい小料理屋(おばんざいの店?)で丁寧にダシを取ってごく薄味に仕上げた飛竜頭をつつきながら呑んでみたい.

 冷やすときっとダメなはず(保管はもちろん冷蔵庫で).
 冷やで文句なしに美味いが,人肌燗につけると舌に乗せた瞬間に酒の鋭さが消えてふくよかなバニラ香だけがブワッと広がるのもたまらなく良い.

 新潟の酒には完敗.

信濃鶴・しぼりたて純米生酒 ★★☆

ラベル: 信濃鶴・しぼりたて純米生酒
マイ評価: ★★☆
  • 蔵元: 長生社,長野県駒ヶ根市(伊那谷)
  • 屋号: 信濃鶴
  • 製造: 21BY
  • 酒米: 伊那谷産の美山錦100%
  • 精米歩合: 60%
  • 酵母: 不明
  • 日本酒度: +4
  • アルコール度数: 16-17度
  • 美味しかった呑み方: 冷や,冷蔵
  • 火入れなしの無濾過生原酒.

生原酒らしい荒々しい微発泡感は当然として,そのすぐ後から華やかな芳香が立ち上がる.

純米の鋭さもきちんと活きている.

生原酒はどれもガツン系の料理に合うと思うのだが,これは夜中に濃い味の夜食をこっそりつまみながら呑むといいかもしれない.カップ焼きそばなんか合っちゃったりして(杜氏に怒られるかな).