2010/03/14

梅乃宿・生酛・特別純米・無濾過生原酒 ★★★

ラベル: 梅乃宿・生酛・特別純米・無濾過生原酒
マイ評価: ★★★

  • 蔵元: 梅乃宿(奈良県葛城市)
  • 屋号: 
  • 製造: 21BY
  • 酒米: 山田錦/日本晴(どっちかが麹米でどっちかが掛け米)
  • 精米歩合: 60%
  • 酵母: 不明
  • アルコール添加: なし
  • 日本酒度: 不明
  • アルコール度数: 17度以上18度未満
  • 美味しかった呑み方: 冷や
  • 火入れ: なし(生原酒)
酒屋でひとしきり日本酒談義に花が咲いた後,「これ面白い酒だよ」とおやじさんが店の奥から大事そうに出してきてくれた酒.
梅乃宿酒造の生酛だが,無濾過生原酒を数量限定で出荷したとのこと.梅乃宿のウェブサイトには出ていない(いくつかの酒屋のサイトには出ているが)から,よほど限定品なのかもしれない.

個人的には無濾過生原酒は最近ちょっと飽きてきた感があるのでどうかと思ったが,飲んだらすぐに吹き飛んだ.

美味い.

生酛を呑んだのはまだこれで3本目ぐらいだが,どうも生酛には共通する特有の酸味があるよう.
この生酛も独特の酸味.でも決して嫌な酸味ではなく,香りと旨味が溶け込んだ優れものの酸味
そして生原酒とは思えない,舌触りの柔らかさ.実際アルコール度数も原酒にしては珍しい方なのかな,18度未満と控え目.ピリピリ来るきつさは皆無.まるで加水したような柔らかさ.

60%と低めの精米ながらも香り高いのは山田錦ならではなんだろうか.

美味い.

蔵元によると,『昔ながらの「木製半切り桶」「木製蕪櫂」での伝承造りにこだわった生酛造り』とのこと.
金属タンクで工業的に作るのが当たり前になっている現代にこうした造りを伝えているのは嬉しいですね.

こんなの呑まされると無濾過生原酒も再びいろいろ呑みたくなるなあ.
そして生酛ももっともっと呑みたくなる.

2010/03/09

七本鎗・純米(玉栄)・14号酵母 ★★☆

ラベル: 七本鎗・純米(玉栄)・14号酵母
マイ評価: ★★☆

  • 蔵元: 冨田酒造(滋賀県木之本町)
  • 屋号: 七本鎗
  • 製造: 21BY(平成22年2月)
  • 酒米: 滋賀県産・玉栄100%
  • 精米歩合: 60%
  • 酵母: 協会1401号(※協会14号の派生酵母)
  • アルコール添加: なし
  • 日本酒度: +4
  • アルコール度数: 15度以上16度未満
  • 美味しかった呑み方: とりあえず冷や
  • 火入れ: あり
最近日本酒のことばかり書いていたらAdSenseに酒の通販の広告がたくさん出るようになったが,今日ついに….


Googleさんに心配してもらったのか自然食研さんに心配してもらったのか分かりませんが,酒量は1日1合を超えないよう常に注意しておりますし,週に1日以上休肝日を設けておりますし,年に1度は健康診断を受けておりますので,どうぞお目こぼしのほどを.m(_ _)m

さて気を取り直して,お気に入りの蔵元・七本鎗(冨田酒造)を久しぶりに賞味.

七本「鎗」.「槍(きへん)」ではなく「鎗(かねへん)」です.
蔵元のウェブサイトもドメイン名が「7yari.co.jp」と気合い入ってます.
賤ヶ岳の戦いで武功をあげた武将達.実体がどうだったかという議論もあるらしいがそれはさておき.

以前岐阜県の山間地・旧坂内村(現・揖斐川町坂内)に住んでいた時期があり,村はずれの八草峠という峠を越えるとそこはもう滋賀県だった.
何度か峠を越えて滋賀県側の麓・木之本町に遊びに行ったが,本当にこぢんまりした町ながらも,風情ある古い街並み保存あり,歴史ある地蔵尊あり,風流で美味しい寿司屋あり,近代的ながら伝統の美味しい和菓子屋あり(でっち羊羹最高),そして美味しい酒蔵ありで,大好きな町だった.

その美味しい酒蔵がこの冨田酒造で,滋賀県産の山田錦を使って香り高い良い酒造りをされる.
何でもこの酒蔵,かの北大路魯山人が投宿していたとか.ラベルの「七本鎗」も魯山人の篆刻をそのまま使用しているらしい.

今回買い求めたのは,滋賀県産・玉栄100%の純米酒.
【※玉栄って滋賀県生まれの酒米だと思い込んでいたが,調べてみたら(リンクの「た行」を参照)愛知県農業試験場の開発らしい. 愛知県生まれながらも,滋賀県に最も適しているとのことで滋賀県で多く栽培されているよう.滋賀県農業試験場開発の酒米は,吟吹雪.次は吟吹雪にトライ】

キリッとした味わい.でも淡麗ではない.旨味はきちんとある.
旨味はあるが,旨味を敢えて広げさせず四角にきっちりまとめました,という印象.そう,四角

協会酵母14号は酸が少な目になるらしく,1401号はその派生(泡無し) だそう.酵母のことはまだよく分からないなあ.

先の「初緑・ひやおろし」が天女なら,この七本鎗は男気.「江戸の世,裏街道渡世に身をやつした己を恥じながらも一宿一飯わらじを脱いだ先には命を懸けて仁義を尽くすやくざ者」みたいだね,とヨメに言ったら例によってハナで嗤われる

そのヨメ曰く,「あー,これ呑んだら刺身が食べたくなった」.
そうですね,刺身も合いそうだし,小料理屋で小鉢を突きながら一献,という感じです.

2010/03/07

菊姫8連発

 
先輩に誘われて「一見さんお断り・完全予約制」の和食屋で会食した.
といっても高級料亭などではなく,初老のご夫婦2人だけで営まれるごくごくこぢんまりした店.そういう店なので店名は書かない方が礼儀であろう.
事前にストリートビューで店構えを確かめたらあまりに小さくて目を疑い,足を運んでこの目で見た店舗も“場末のおでん屋”に見間違われても仕方ないような外観.えらく低いサッシのドアを頭を縮めてくぐる.

さて料理は言うまでもなく絶品だったのだが,それは皆さんご自分の舌で確かめてください.(←イヤミ)

本題はもちろん酒.

料理と並ぶこの店の決定的な売りは,石川県を代表して全国にその名を轟かせる菊姫全ラベル完備していること.最高ランクの菊姫は金を積むだけでは手に入らない代物らしい(ちょうど八海山の金剛心のような位置づけか)ので,そのことだけでもこの店が蔵元(あるいは取次店)からいかに尊重されているかが分かる.

筋金入りの日本酒好きの先輩ばかりと会食したので,料理を食べに行ったのか菊姫を呑みに行ったのかどっちやらで,それでも皆翌日のことを考えて控え目に控え目で菊姫8連発で幕を引いた.
ちなみにメニューの写真を取り忘れてきたが,菊姫全部で20ラベル近くあったか.数えておけば良かった.

今回初めて知ったが,菊姫は全て山田錦
最近自分は,
  • 水は言うまでもなく,
  • 米も地元=当県開発の酒造好適米,
  • できれば酵母も地元=当県開発の酵母or蔵付き酵母,
  • できれば酒母中の乳酸も地元=生酛or山廃
という“本物の地酒”にこだわっているので兵庫の蔵元でない山田錦酒(特にYK35みたいな)は避けつつあるのだが,菊姫ぐらいの別格になるとこだわりません(←権威に弱い).

さて食べ始めて飲み始めて早々に酔いが回り始めたので味を正確に覚えているか自信がないのだが,忘れないうちに8連発一気記載(いつも書く細かい分類は今回は省略.蔵元のウェブサイトでどうぞ).

 
菊姫1発目「先一杯(まずいっぱい)」(写真右)
メニューは右から左へ高級度が増すように並んでいて,どれから行こうか一同迷っていたら女将さんが右から4つ目ぐらいの「先一杯(まずいっぱい)」をラベルどおり勧めてくれた.(※右から2つぐらいは本醸造だった)
純米酒だが,いきなり,
え,これで「まず一杯目」のつもりなのかよ
という出来映え.細かくは覚えていないが,「きっちり・しっかり・良い出来に仕上がりました」という感じ.あかんでしょうこれは.
菊姫2発目「山廃純米・無濾過生原酒」(写真左)
生原酒好きの先輩が所望.
んー,自分はこのところ,火入れ・加水をして「これがうちの味」という調整をした酒をじっくり味わうのが好みになってきているので,上記の「先一杯」の「これのどこがまず一杯目やねん」というインパクトに比べれば穏当な印象(もちろん舌触りは生原酒ならではで穏当ではない).
っていうか,今の自分には生原酒のラベルごとの違いが分かりにくいなー….



菊姫3発目「大吟醸」 
この頃既に酔いが回っていて「美味かった」という記憶しかない….
50%精米.

  
菊姫4発目「B.Y.大吟醸」
BY=Brewing Year,すなわち醸造年度を意味する.ちなみに日本酒の醸造年度は7月~翌年6月だそう.
これだけだとラベルの意味が分からないが,菊姫の場合は熟成させてから出荷する品が多いらしいので,新酒の大吟醸には敢えて「BY」を冠して区別しているとのこと.「年ごとの違いをお楽しみ下さい」とな.
ということは今回呑んだのは21BYということか.
えー,「美味かった」です(笑).

  
菊姫5発目「鶴乃里」
純米です.
なんかね,それまでとは違う「お!」という感じがあったんだけど,忘れちゃいました….すごく旨味が深かったのかな…?
要は「美味かった」です….

  
 菊姫6発目「黒吟」
明らかにこれまでとは一線を画して,一口で「古酒だ!」と分かる味わい.
色も山吹色が他に比べて強い印象.
あとで調べてみたら案の定3年古酒だった.蔵元によると「首吊り」「ビン貯」「三年もの」だそう.首吊りとは俗称で袋絞りのこと.それを瓶詰めしてからの3年貯蔵.
古酒ってもともと得意じゃなかった(というか本当に美味しい古酒を飲んだことがなかった)が,なるほどこれは美味い.
古酒にもはまりそう.

  
 菊姫7発目「にごり酒」
これまでメニューを右から左へと遷移してきたが,一気に右へと揺り戻って右から3つ目だったか5つ目だったか.
ちょうどこの日が3月3日雛祭りで女性の先輩もいたので,白酒代わりに菊姫「にごり酒」.
「以前この店に来たときはトイレに籠もりっきりだったのよー」とあっけらかんと告白するお雛様に乾杯.

  
菊姫8発目「菊理媛(くくりひめ)」
そろそろ料理も大詰めという頃,ついに雛先輩が口を開いた.
ここまで来たら, 菊理媛(くくりひめ),いっとくしかないでしょう」
雛先輩,今日はまだトイレには籠もっていない.

自分はこのラベルはこの店で初めて知ったが,とりあえずメニューには副題のように「十一年古酒」と書いてあるだけ.
「11年古酒???」
10年古酒を酒屋の店頭で見かけたことはあるが,老ね香(ひねか)がよっぽどすごいんだろうと思って敬遠していた(つまり呑んだことがない).
しかし菊姫の最高峰である菊理媛(くくりひめ),いったいどんな味やら.

ところで菊理媛(くくりひめ),白山神社に祀られる神様だそうである.蔵元が霊峰・白山を望む白山市にあるのが由来か.岡野玲子の「陰陽師」にも登場している(7巻・都に呪い出た菅原道真のさらに上空に出現).

値段もまた破格である.
100ml入り程度のコップ1杯で「○千円!」(畏れ多くて書けません;通常のフランス料理店の一番高いディナーコースレベル).1人では絶対に注文できない.
あとでネットで調べてみたら一升瓶が「○万円!」(昔北海道を離れるときに思い出にと大奮発して泊まった洞爺湖のウィンザーホテル1室1泊より高い;その翌年サミットが開かれてビックリだった).

しかし一同酔っぱらって何の異存もない.
全員でコップ1杯をシェアするということで(それまでの酒も大方そうしたが),女将さんにオーダー.
するとコップに注いでくれながら女将さんが一言.
日本酒のうんちくがどうのなんて全部吹っ飛ぶ酒だからね」.

 それまで生原酒がどうの山廃がどうのとさんざんうんちくを語り合いながら菊姫を堪能してきた我々だが,女将さんのその一言にシンとなって居住まいを正して一口ずついただく.

….

…….

……….

「なんだこの普通すぎる美味さは!」

一同全く同じ感想.
何も言われずに呑んだら,「ふむ,きっちり作られたバランスの良い美味しいお酒ですね」と簡単にコメントしてしまいそうな.
ある意味で,「この酒のここがすごい」と言えるところが何もない

でも数秒して気付いたが,「これで11年ものの古酒なのか!?」.
老ね香(ひねか)ゼロ
新酒と言われても疑わない.
そういえば色も殆ど無色透明.山吹色がない.

…決して,拍子抜けなどではない.「こんなものか」という底の見える感想などでは決してない.
何というのか,凄すぎて凄さが分からないというか,凄さが超越していてかえって普通になっているというか.
そこで雛先輩が歴史に残るコメント.
「ああ,酒も深まって極まっていくとグルッと元に戻ってくるんだね」
女将さんの言った「日本酒のうんちくがどうのなんて全部吹っ飛ぶ酒だからねに一同大いに納得.

先日ご縁あって,ある傑出した禅僧にお会いし親しくお話をさせていただいたが,誤解を恐れずに率直に申し上げれば「普通に良い方」だった.
「うわっ,大事了畢底の禅僧ってすごいな」というようなオーラとか威厳のようなものは微塵もなく,十牛図の十枚目「入壥垂手(にってんすいしゅ)」とはこのことだったかとお見送りしたあとでようやく気付いたほど.

そのお坊様を思い浮かべるような,この菊理媛.

敬意を込めて,マイ評価させていただきました.

ラベル: 菊姫・菊理媛(くくりひめ)
マイ評価: ★×
  • 蔵元: 菊姫合資会社(石川県白山市)
  • 屋号: 菊姫
  • 製造: 平成9年
  • 酒米: 山田錦100%
  • 精米歩合: 不明,でもどうでもいい
  • 酵母: 不明,でもどうでもいい
  • アルコール添加: 不明,でもどうでもいい
  • 日本酒度: 不明,でもどうでもいい
  • アルコール度数: 不明,でもどうでもいい
  • 美味しかった呑み方: 冷蔵しか呑んでいない,でもどうでもいい
  • 火入れ: してあるはずだが,でもどうでもいい

2010/03/04

Firefoxアドオン 2題(Redirect Remover,Better Gmail 2 - Folders4gmail)

Firefox 3.5.xで,3月3日ごろからなぜかGoogle画像検索のプレビュー表示がされなくなってしまった.
通常なら画像検索一発目のサムネイル画面で適当にサムネイルをクリックすると拡大されたプレビュー(スライドショー風)が表示されるのに,サムネイルをクリックすると直接リンク先に飛んでしまう.
IE8では正常に動作するのでFirefoxの問題らしい.

問題切り分けのために例によってアドオンを一つ一つ無効化してみると,Redirect Remover 2.6.2が原因と分かった.
特にRedirect Remover自体はここ数週間更新していなかったはずなので,よく確かめなかったが,ひょっとしたらGoogleの方で画像検索時のURLが微妙に変更されていたのかもしれない.
Google画像検索ページをRedirect Removerのホワイトリストに加えてやれば済む話だが,あまりこのアドオンでお得をしたという経験もないので削除してしまった.

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もう一題,同じく3月3日ごろからなぜかBetter Gmail 2の「Folders4Gmail」が作動しなくなっている.Gmailの左ペインにあるラベル(自分は数十種類のラベルを作成して,Folders4Gmailを使って階層表示させている)が階層表示されずにズラズラずらっとひたすら並んでみっともない.
これもサッパリ原因が分からず検索しても答えが見つからず困ってしまったが,翌日,Folders4gmailスクリプト開発者のページにお詫びが掲載されていた


開発者さんが修正してくれるのを待ちましょう.